去年阪神を戦力外となり、今季ロッテでの復活を目指している鳥谷敬。しかし、シーズン開幕までおよそ10日と迫った今、鳥谷は思うような成績を残せていない。
6月から始まっている練習試合では、井口監督の期待を受け積極的に起用されている。6月5日の楽天との練習試合では「5番・ショート」で先発出場したが、打率は低迷しており、ファンからは「開幕に向けての調整が上手くいってないのではないか」と不安の声が上がっている。
しかし、古巣阪神のファンたちからは「そもそも鳥谷にはもう活躍できる力がないのかもしれない」と厳しい見方が広がっている。今年39歳を迎える鳥谷の能力の衰えはそれほど顕著になっているのだ。
「『鳥谷の不調は目の衰えからくるもの』というのは記者たちの間では定説です。守備面では、近年になりボールを後ろに逸らすシーンが目につくようになりました。それと連動して、打撃成績も下がってきています。鳥谷は2007年にレーシック手術を受けたのですが、近年になって、その悪影響が出てきてたのではと噂されています。実際、過去に稚拙なエラーを見せた際、当時の金本監督が『目の影響かもしれない』と鳥谷の目の異常を示唆する発言をしたこともありました」(スポーツ紙記者)
レーシック手術においては、術後しばらくしてから「視力の低下」や「ドライアイ」といった不調を訴えるケースは以前から指摘されている。鳥谷の視力について心配の声があがるのは、期待の裏返しでもある。
指摘されるのは視力だけではない。かつて鉄人と呼ばれた「肉体」にも衰えがあらわれている。毎年、年間チケットを購入し、鳥谷をバックネット裏の席から見つめ続けてきた阪神ファンの男性はこう語る。
「私の席はタイガースのネクストサークルの近くにあり、選手が素振りをする音がよく聞こえるんです。そんな中、鳥谷選手のスイングの音が年々、鈍くなっているのを感じ、スイングスピードが遅くなっているということが素人の私にでもわかりました。近年は代打での起用が多くなっていた鳥谷選手がネクストサークルに登場すると球場は沸きましたが、私にとっては鳥谷選手の衰えを突きつけられる場面でもあったので複雑な気分でした」
このようなシビアな意見を述べる一方で「やはり阪神のレジェンドである鳥谷には復活を果たしてほしい」と願う阪神ファンは多い。今季の鳥谷は、能力面の衰えをベテランの経験値でカバーして、ロッテファンと阪神ファンの双方の期待に応えることができるのだろうか。
(浜野ふみ)