新型コロナ禍の「外出自粛」で、愛犬を散歩させにくい状況にお困りの方もいらっしゃるのではないでしょうか。
そして、ペットを飼うということは「最期」まで面倒を見るということ。当然、別れの日は必ずやってきます。私は死別がつらいこともあって、今はペットを飼っていませんが、近年は旅立ちを見送るために、ペットの葬儀を希望する飼い主さんも増えてきているそうです。
そこで今回、ご紹介するのは「動物葬祭ディレクター検定」。動物の葬儀や供養が適切に行える知識や技能が身につく検定となっています。
近年は、殺処分問題をはじめ動物愛護の機運が高まっており、こうした検定が話題になることによって、人にも動物にも優しい共生社会が実現することを願ってやみません。
前置きが長くなりましたが、例題を見てみましょう。
〈問1〉犬猫の火葬にあたって、遺体を燃焼する際の炉内温度で適切な温度は【1】400度、【2】550度、【3】600度、【4】800度のうちどれ?
〈問2〉愛媛県の上黒岩岩陰遺跡や青森県の二ツ森貝塚など全国の縄文遺跡からは、埋葬された動物の骨が発掘されていますが、その動物は【1】ネコ、【2】イヌ、【3】ウサギ、【4】ブンチョウのうちどれ?
実際の問題も4択方式で出題されます。例題の答えは〈問1〉が【4】、〈問2〉が【2】となっています。
検定のランクは2級と1級に分かれ、試験開催地は東京と大阪の各会場となっています。
前述したように、近年はペットの葬儀を請け負うお寺や代行業者が多く登場していますが、火葬や納骨などで2万〜8万円もの費用がかかるそうです。
こうした中にはいわゆる悪徳業者もおり、オプションという名目で不当に料金を上乗せし、それを拒むと「払えなければ生焼けで返す」と脅されるなんていう信じられない話も聞かれます。
最愛のペットを弔うにあたって、金勘定のことはあまり考えたくはありませんが、こうしたリスクや負担を考えると、ある程度、葬儀の知識を持っておくことは必要なのかもしれませんね。
ちなみに、各自治体では犬猫の遺体を引き取るサービスを行っていますが、大半は「ごみ」として処理されてしまうため、当然、骨が戻ってくることはありません。
こうした背景もあって、今後、ペットの葬祭ビジネスはますます拡大していくと思われます。国内で開業するのもいいかもしれませんが、海外に目を向けてはどうでしょうか。お隣・中国でも犬や猫を飼う人が急増しており、ペットの葬儀を希望する飼い主さんも少なくないとか。中国国営メディアによると、日本円にして12万円以上もかけて、葬儀を行う人もいるそうです。
文化は違えども、ペットを大事に思う気持ちは万国共通かもしれませんね。
儲かる指数:64
鈴木秀明(すずきひであき)/81年生まれ。東京大学理学部、東京大学公共政策大学院を経て資格アドバイザーに。取得資格数は650