2020年のサッカーシーズンがスタートした。その幕開けとなる「富士ゼロックス・スーパーカップ」が2月8日に埼玉スタジアムで行われた。この大会は前年度のJリーグ王者と天皇杯の優勝チームが戦う、いわば頂上決戦。Jリーグ王者の横浜Fマリノスと天皇杯の覇者・ヴィッセル神戸が戦った。ところが内容は「春到来」には程遠いお寒い内容で、サッカーファンからも失笑を買ってしまった。
試合は神戸が先手を取っては、横浜が追いつくというスリリングな内容。90分を戦って3対3の同点。延長は行わず、PK戦に突入した。問題が起きたのはこのPK戦でのこと。なんと、PKキッカーが9人連続で外す大失態を披露してしまったのだ。
4人目の田中順也までは全員成功。しかし5人目の横浜エジガル・ジュニオからPK失敗が始まる。ジュニオのシュートが神戸のゴールキーパー飯倉大樹のファインセーブで防がれると、次の神戸・小川慶治朗のシュートはバーに弾かれる。
すると、7人目の水沼宏太が蹴ったボールはゴールの上へ。8人目・西のシュートは神戸のGK朴一圭に防がれる。9人目の松原のボールはクロスバー、10人目大崎は枠の上へ。11人目和田のシュートはキーパーがセーブ。12人目のTフェルマーレンはゴール上へ外す。そして13人目・遠藤のシュートはクロスバーに弾かれた。
こうして5人目から13人目のキッカーまて9人連続でPKを外すという珍事が完成したのだ。
「サッカー好きでなくとも知っているとおり、PKは蹴るほうが圧倒的に優位です。それなのに9人連続失敗とは目を疑いたくなる光景でしたね。しかも9人のうちキーパーがセーブしたのは3人だけ。他はシュートが枠に行ってない。これでは、Jリーグはレベルが低いと言われても反論できません」(スポーツライター)
神戸の1人目のキッカーを務めたイニエスタは試合後、PK戦の連続失敗について「本当におかしな展開だった」とあきれたように話している。
「9人連続PK失敗はJリーグとしては初めてのこと。世界的に見てもあまり聞いたことがない珍事です。Jリーグのサポーターからも『Jのレベルは低いなー』『やっぱりJは低レベルと言われそう』という声が上がっています」(前出・スポーツライター)
今年は東京五輪が控えている。世界中が注目する大会でみっともない姿をさらしてしまうことがないよう、Jリーグから気合を入れてプレーしてほしいものだ。