金融商品取引法違反などの罪で拘留されていたカルロス・ゴーン被告が3月6日、東京拘置所から保釈された。保釈の際には青いキャップを目深にかぶり、警備員風の服装をするなど変装していたゴーン被告。しかも弁護団が乗ってきたワゴン車ではなく、あえて軽自動車に乗り込むことでマスコミの目をそらせようとしていた。
この変装劇については8日に、弁護団の高野隆弁護士が「すべて私が計画して実行した」とブログで告白。変装作戦が失敗したと認め、ゴーン氏の名声に泥を塗ったと謝罪した。この変装について週刊誌記者が指摘する。
「刑事被告人で変装といえば、未上場株を政治家らにワイロとして配ったという“リクルート事件”で有罪判決を受けた江副浩正・リクルート元社長を想い出した人もいるはず。江副氏は女性用のカツラを被って移動し、密着するメディアに『江副さんですよね?』と問われるも否定した場面が語り草になっています。ただネットが存在していなかった88年当時はともかく、現代では変装画像がすぐにネットで拡散されるので、今回の作戦は『マスコミの取材から姑息に逃げようとした』というネガティブなイメージを生んでしまったことでしょう。その意味では作戦失敗であることに違いはありません」
そんなゴーン氏に対して一部からは、ある映画俳優にあやかった方法をとるべきだったとの声もあがっているという。週刊誌記者が続ける。
「ゴーン氏と言えば、その特徴的な眉毛がイギリス人俳優のローワン・アトキンソンに似ていることで有名。そのアトキンソンはコメディ作品『Mr.ビーン』で知られ、主人公のビーンはいつもモーリス・ミニに乗っています。時にはミニの天井にくくりつけたイスで爆走するなど、ビーンとミニの関係は有名。それゆえどうせマスコミ監視のなかで保釈されるなら、ミニに乗り込むことで洒落者として、世界に対して心の余裕を示すことができたはずです。しかもミニは現在、独BMWの傘下にあり、ルノーや日産とは競合関係。つまりミニに乗ることで古巣への強烈な皮肉もアピールできたことでしょう」
ちなみにMr.ビーンのミニは薄緑色。その緑色はフランスでは不安定な色とされ、「どっちに転ぶか分からない」としてルーレットの台などに採用されているとの説もあるという。それはまるでゴーン氏の運命を暗示しているようではないだろうか。