3月9日で69歳の古希を迎える元日産自動車会長のカルロス・ゴーン被告。19年末、保釈中にレバノンに逃亡してから3年2カ月が過ぎ、今や新聞やニュースで取り上げられる機会もめっきり減ったが、なんと、現在は首都ベイルートで会員制ラウンジ「モンティ・クラブ」のオーナーを務めているという。
「凍結や没収された資産はあくまで一部で、彼はホテルや銀行、ワイナリーなど複数の事業に出資しており、多額の利益が手元に入るスキームを構築している。でも、これらはあくまでビジネス。しかし、ラウンジ経営は金儲けではなく『保身』のためだと言われているんです」(全国紙記者)
ゴーン被告は国際手配中のため、レバノンからの出国は不可能。同国は自国民の身柄引き渡しを認めていないが、国の情勢は安定しているとは言い難い。政変などによって状況が一気に変わる可能性もあるという。
「レバノンは19年から深刻な経済危機に見舞われ、未だ回復の見通しが立っていません。政治的にも無政府状態に陥った時期もあり、ゴーン氏は身の安全の不安を常に抱えている状態です。ラウンジは入会金を国民の平均年収を上回る1万ドル(約136万円)という高額に設定していますが、それだけに会員はカネや権力を持っている者が多い。そうして政財界と太いパイプを築いておけば、いざという時の保険になると考えたのでしょう」(前出・記者)
ちなみにラウンジは地元セレブたちの憩いの場として大人気だという。バーやテラス、図書館のほか、一流シェフによるフルコース料理を食べることができるダイニングスペースなどが併設されている。
「しかし、苦しい生活を強いられる庶民や内戦中のシリアから避難してきた難民たちにとって、ゴーン被告や彼のラウンジに出入りする富裕層は憎悪の対象でしかないといいます。現地では以前からクーデターの噂も流れていますし、先のことは読めない状態です」(前出・記者)
写真のゴーン被告は笑顔でご満悦のようだが、必ずしも安泰というわけではないようだ。
*画像は「モンティ・クラブ」のインスタグラム(@montyclub_)より