前駐豪大使・山上信吾が日本外交の舞台裏を抉る!~「個人的信頼関係」の落とし穴~
「外交においては個人的信頼関係の構築が重要である」と、しばしば指摘される。 一般論としてはそのとおりだ。特に、首脳外交の重要性が高まっている現代にあって、首脳同士で意思疎通できる関係を作っておくメ...
「外交においては個人的信頼関係の構築が重要である」と、しばしば指摘される。 一般論としてはそのとおりだ。特に、首脳外交の重要性が高まっている現代にあって、首脳同士で意思疎通できる関係を作っておくメ...
トランプが圧勝した。300人を上回る代議員を獲得したのだ。 事前の予想では、大方の内外メディアが「大接戦」「最後まで分からない」と報じ続けていたことを多くの人は覚えている。接戦州すべてをトランプ...
「君たち、この女性と順番にデートしないか?」 ひときわダンディーな大臣官房のエリート首席事務官からこう言われてすぐ「ハイ」などと応じるチャラ男は流石にいなかった。 入省後、間もない頃。有...
外務省のエリートコースといえば、戦後長らく条約局(現在の国際法局)であったことは間違いない。条約課担当官、条約課長、条約局長を務めた人物が次官等のポストに昇進するケースが相次いできた。その意味では、...
世の中の人が抱いている誤解のひとつに、「外交官はテーブル・マナーに秀でている」というものがある。英国人作家カズオ・イシグロの「日の名残り」に描かれたようなイングランドのマナーハウスでのディナーなど、...
あれは血気盛んで青年将校と呼ばれた30代前半の頃だった。 金曜日の夕方、日米経済交渉に向けた北米二課作成の対処方針案が条約課に持ち込まれた。「ああこれで、飲み会にはいけないな」とあきらめて決裁書...
霞が関の官庁の中で外務省ほど「天下り」に無縁な省庁はないのではないか。なぜか?答えは簡単だ。 まず、50代初頭から「肩たたき」にあうような大方の他省庁と違い、外務省にあっては、いったん入省したキ...
先日、某評論家が「岸田外交は米国で評価されているのに、日本で評価されていないのは残念。岸田さんはよくやっている」と評していた。 いかにも外務省出身者らしいコメントだ。米国にだけ評価されていれば済...
「なぜ外務省の役人は国会答弁があんなに下手なのか?」近年夙に外務委員会委員長などの国会関係者から指摘を受ける点である。 先日も某国会議員の勉強会で日本外交の現状と課題について講演をした際、同じ指摘...
「1対1の闘いに弱い」 長らく日本サッカーについて言われてきた問題だ。しかし、侍たちは進化した。久保建英は巧みにフェイントをかけて相手を見事に抜くし、三笘薫の高速ドリブルはプレミアリーグでもなかな...