Googleの「スタディア」スタートで“クラウドゲーム時代”が幕開け!

 今年はクラウドゲーム開始の年になり、来年から本格的な幕開けとなりそうだ。

 11月19日、グーグルがクラウドを通じたストリーミングでのゲームサービスの「Stadia(スタディア)」をスタートした。クラウドでのサービス提供なのでもちろん、パソコンやスマホでプレイが可能。だから、これまでに必要だった高い演算能力を持つ専用端末は必要がなくなる。つまり、今までのようにゲームソフトを買ってきたり時間をかけてダウンロードする必要がなくなるのだ。しかも、月額制で遊び放題というのだからゲーム環境は激変するはずだ。

 今回、サービスが開始されたのは、本国アメリカとヨーロッパの14カ国。月額9.99ドル(約1100円)。日本を含めた他の地域でのサービス開始は2020年から順次と、今のところ未定だが、ゲームライブラリーには、ユービーアイソフト・エンターテインメントやバンジーといった大手ゲーム開発会社のタイトルが提供されるほか、ローンチタイトルにはスクウェア・エニックスからファイナルファンタジーⅩⅤなどの4本、セガサミー、バンダイナムコといった日本のゲームソフトもそれぞれ採用されている。

 新しい時代に合ったゲームサービスの開始とあって、他社も遅れてはならないとサービス開始を計画している。マイクロソフトとソニーは独自のサービスの構築で提携しているが、まだ詳細は明らかになっていない。アップルも3月にストリーミングサービスの「アーケード」を開始するとしているが、同様に料金体系などは不明だ。いずれにせよ、今後の競争が高まるはずだ。

 とりわけ日本のゲーム業界としては、従来は専用端末のゲーム機の開発に注力してきたわけだが、スタディアの登場で環境は大きく変わり、今後はソフトの開発に専念していくことだろう。一方で、日本の大手ゲーム会社は多数のIP(知的財産)やクラウド関連事業に有する基盤が追い風にもなるだろう。

(猫間滋)

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