薬物事件で11月16日に逮捕された沢尻エリカを巡り、「薬物をやっていた証拠」が各報道をにぎわせている。20日には「文春オンライン」が、日本最大級の野外フェスである「フジロックフェスティバル」に沢尻が参加していた際の映像を一部公開。同フェスにて沢尻が薬物を使用していたと報じている。
記事では沢尻が薬物を角砂糖に染みこませたうえで、栄養ドリンクのように飲み干していたとの証言を掲載。その取材力はさすがと言うしかないが、一方で沢尻のダンス映像の記述については疑問の声も少なくないようだ。
「記事では『夢遊病者のよう』『奇怪なダンス』と書いてあるのでどんなものかと映像を観ていたら、曲に合わせてごくごく普通に体を動かしているだけで、拍子抜けしました。公開された映像は一部だけなので、ほかにはもっと奇怪な動きもあるのかもしれませんが、そもそもフジロックなどの野外フェスで一心不乱に踊り狂っている参加者など珍しくもありません。歌舞伎の連獅子さながらにグルングルンと髪を振り乱していたり、全身をくねらせては卒倒するなど、音楽とアルコールでハイになった参加者が繰り出すダンスは様々。この記事を書いた記者はこれまで野外フェスに行った経験がないのではないかと、フェスファンはみんな思ってますよ」(音楽ライター)
様々な野外フェスのなかでもフジロックはその独特な文化で知られている。盛夏ながら標高900メートル超の苗場スキー場が開催地とあって、天候が悪くなれば気温はグンと低くなる。そのためキャンプに赴くような完全防備の参加者も少なくない。雨が降っても傘は禁止で、ステージ周辺ではベッド代わりのキャンプチェアに身を沈めつつ、まったりと音楽を楽しむ姿も散見される。
その一方で、唯一の屋内会場となる巨大テントの「RED MARQUEE」では24時間、ライブやDJをプレー。眠さや疲労も手伝って、朦朧とした状態で体を揺する参加者も珍しくない。その様子を文春の記者が見たら、年末の笑ってはいけないさながらに「全員、アウトー!」となってしまいそうだ。
「薬物事件を巡ってはクラブが犯罪の温床となっており、純粋に音楽やダンスを楽しみたい利用者は迷惑しています。それに加えて今度は野外フェスにまで疑惑の目を向けられてはたまらんと、多くの音楽ファンが沢尻がらみの報道に神経を尖らせているのです。そもそも沢尻は2013年からフジロックを訪れており、彼女自身『10万人規模なのに環境が保たれていて、世界に誇れるフェス』と語っていますが、沢尻の薬物事件を理由に、野外フェスを色眼鏡で見るような報道はぜひとも避けてほしいものです」(前出・音楽ライター)
ちなみにフジロックでの沢尻はキャップを被る程度で変装はしていなかったとのこと。世間にはおそらく、苗場で沢尻を見たという人も少なくないことだろう。
(北野大知)