まるで地下要塞!日本一怖い「ダンジョン駅」とは?

 地下に駅や直結した地下街など広大な地下スペースを有する駅を鉄道ファンの間では〝ダンジョン駅〟と呼ばれている。大都市圏にあるターミナル駅の多くはこれに該当するが早朝深夜でも人の数はそれなりに多く、ダンジョンと言うにはいささか雰囲気に欠ける。

 だが、そんな鉄道愛好家からも「ダンジョンらしさならここが日本一」と評される駅が新潟県にある。えちごトキめき鉄道の日本海ひすいラインの筒石駅(新潟県糸魚川市)だ。

 この駅は全長約11キロの頚城(くびき)トンネルの中にあり、地上改札口から地下の下りホームまでは階段でなんと290段(※上りは280段)。これはJR上越線にある土合駅(群馬県みなかみ町)に次ぐ規模だが、ホームまで階段で一直線の土合駅に対して筒石駅は階段と階段の途中に横穴の通路があり、苔で覆われた天井や壁など見た目のダンジョンっぽさは明らかにこちらのほうが上だ。

 都心の地下駅と違って無人駅のうえ、地上駅舎があるのは近隣に数軒の民家しかない山奥。たまに下車するのは物好きの鉄道ファンばかり。待合スペースは地上駅舎のほか、地下ホームの横にも用意されているが頑丈な鉄製の扉で覆われており、核シェルターのような感じでもある。

 駅構内にはエスカレーターもエレベーターもないため、改札~ホームの移動だけでもかなり大変。筆者が訪れた際、地上まで約10分。20階分以上に相当する階段を上らなければならないので思っていた以上にキツい。ただし、真夏でも構内は涼しいため、湿気はあるが居心地はそれほど悪くはない。

 昨年夏にはえちごトキめき鉄道が筒石駅やトンネル内にある普段は関係者以外立ち入り禁止の斜坑を探索するツアーを実施。参加した鉄道ファンからは大好評で、定期的なツアー開催を望む声も多い。

「見た目はちょっと怖いですけど、そこも含めてドキドキ・ワクワク感のある冒険心をくすぐる駅。鉄道好きはもちろん、お子さんなんかにもオススメです」(鉄道ライター)

 しばらくは難しいかもしれないが、コロナ収束後にはぜひ訪れてみてはいかが。

(高島昌俊)

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