年間20億円の“田中特需”は1年限り!? 楽天が次に狙うメジャーリーガーとは?

 ヤンキースからFAとなっていた田中将大(32)が楽天と2年契約を締結し、8年ぶりの日本復帰を実現させた。年俸は9億円(推定)。巨人のエース・菅野智之の推定年俸8億円を上回り、NPB史上最高の金額となった。

 楽天にとっては、呼び戻すための大盤振る舞いも痛手などではまったくなく、むしろ先行投資で十二分にペイできる。こんな算段の上での獲得だった。

 しかも球団関係者は「我々は、田中復帰がもたらす特需はすさまじいレベルに達すると踏んでいる」と鼻息を荒くして、こう続けた。

「田中が楽天のユニホームを着て活躍すれば、それだけで球団、親会社にとって最高の広告塔。すでに世界進出を広げていることからも、ニューヨークで知名度の高い田中の移籍先として米国内でクローズアップされることになり、グローバルなPRエフェクトを生み出します。しかも関連グッズの売り上げも見込め、少なく見積もっても、田中効果で年間20億円以上の収益があるとみています。仮にコロナ禍で公式戦の集客が通常どおりとならなくても、大きなダメージにはつながらないでしょう」

 ただし、シナリオどおりに事が運んだとしても、田中特需は今オフのMLB復帰によって1年限りで終わってしまうかもしれない。契約の際に予測できるストーリーだ。利にさとい楽天は、きっちりと「その先」までプランを煮詰めつつある。なんと、パドレスのダルビッシュ有(34)、ツインズの前田健太(32)のダブル獲得計画が秘かに進行中なのだ。

 昨季まで球団でフロント業務に携わっていた関係者が「まず前提として」と、田中の次の去就に関して、声を潜めて打ち明ける。

「正直に言えば、田中は1年でMLBに戻って構わないのです。いや、むしろそのほうがベストと言い切っていいでしょう。確かに田中特需で絶大な経済効果が見込まれ、球団も親会社も潤うことは間違いない。とはいえ楽天が今回、田中復帰を実現させた背景にあるのは、グローバル企業として世界に名をとどろかせるというポリシーです。名だたるMLBの球団と対等に張り合い、争奪戦に打ち勝って田中を呼び戻す。そして再び田中をMLBへと送り出す。この両面が最終的に成立しなければ、米国を筆頭に、世界から『楽天はMLBで通用しなくなった田中の受け皿になるため、仕方なく手を挙げた』と邪推されてしまう。それでは『MLB球団とガチンコ勝負の末に勝った』という経済界からの評価は得られません。実は田中に対するメジャー球団のオファーも、全てが楽天を下回っていたわけではないんです。年間ベースで9億円を上回る話もあったのですが、条件は守護神に就くことだった。それをのめない田中は、NPBで先発としての力を示し、来季に巨額契約でメジャーにリターンするシナリオを描いているんです」

 つまり今オフ、田中には再びメジャーリーガーとして歩み出してもらいたいと、むしろ背中を押しているのだ。それを肥やしとした上で、球団オーナーも兼ねる親会社の三木谷浩史会長(55)はダルビッシュ、前田にも近い将来、楽天のユニホームを着用させる仰天計画を頭に描いているというから、そのスケールには恐れ入るばかりである。

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