航空業界の常識を変える!?「ベッド付きエコノミークラス」とは?

 国際線の中長距離路線を中心に導入されている航空機のフルフラットシート。機内で横になって寝られるので到着後すぐに仕事や観光するのに便利とはいえ、導入されているのはファーストクラスやビジネスクラスのみ。庶民にとっては予算的に高嶺の花だが、エコノミークラスの乗客でも利用できるベッドを用意する航空会社がついに登場する。それがニュージーランド航空で導入予定の「スカイネスト」だ。

 エコノミークラスとプレミアムエコノミーの間に「スリープポット」と呼ばれる3段式のカプセルベッドを2台6人分設置し、離着陸時を除くフライト中をこちらで過ごすことができる。当初は24年9月に導入されるはずだったが26年に延期されている。

 ちなみに料金は23年発表時の情報によると、エコノミークラスの料金とは別に4時間毎400~600NZドル(約3万4000~5万1000円)。到着まで1人の乗客が1つのベッドを独占するわけではないため、設置台数は6台でも長時間のフライトなら多くの乗客が利用可能。詳細については不明だが、当日でも空きがあれば利用できそうだ。

 ただし、長さは2メートル以上ながら横幅は肩部分で58センチ以上と狭い。正式導入までに仕様が変更される可能性はあるが、試作品ではV字状に向かい合わせになっており、カーテンで仕切られる形になっている。一応、プライバシーは確保されるが、画像を見る限りはカプセルホテルというよりもかつてブルートレインなどで使用されていた3段式の開放式B寝台に近い。でも、数時間の仮眠を取る程度ならこれで十分かもしれない。

 だが、オークランド―ニューヨーク線などに導入予定で日本路線は今のところ未定。ニュージーランド航空はエコノミークラスの3席を独占し、レッグレストを上に上げてフルフラット状態で使用できる「スカイカウチ」も大好評で、エコノミークラスの乗客満足度は非常に高い。スカイネストと合わせて多くの航空会社でぜひ導入してもらいたいものだ。

※写真は、ニュージーランド航空のスカイネストの試作品

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