柔道金メダリスト・石井慧、プロ格闘家からハリウッド俳優に転身の本気度

 2008年の北京五輪・男子柔道100キロ超級金メダリストの石井慧。当時、インタビューでの「屁のツッパリにもなりません」というコメントが話題になり、五輪後には引退してプロ格闘家に転身して重量級の日本人トップファイターに。17年には00年代のK-1やPRIDEで活躍したミルコ・クロコップに弟子入りし、19年には彼の母国クロアチアに国籍を変更している。

 昨年には引退し、敗血症で一時危ない状況に陥っていたことが報じられたが、驚いたのはその後。なんとハリウッドで俳優デビューすることが分かったのだ。

 その作品は、米国で10月3日公開予定の映画「ザ・スマッシング・マシン」。元UFC王者で初期のPRIDEでも活躍したマーク・ケアーの半生を描いた作品で、主演を務めるのは、現在ハリウッドでもっとも稼ぐ俳優のひとりとして知られるドウェイン・ジョンソン。世界最大のプロレス団体WWEで“ザ・ロック”のリングネームで一時代を築いた元プロレスラーだ。

「石井慧が演じるのは、格闘技ファンには馴染みのある日系人ファイターのエンセン井上。マーク・ケアーは00年のPRIDE で彼と対戦し、判定勝ちを収めていますが、薬物の過剰摂取で心停止に陥った後の復帰戦であったことが後に分かっています。そのため、かなり重要な役どころです」(映画ライター)

 米国では同じWWE出身のデイヴ・バウティスタやジョン・シナも俳優として活躍。日本でもプロボクサー出身の赤井英和やガッツ石松は俳優としても高く評価され、プロレス界では武藤敬司や真壁刀義、船木誠勝など選手と俳優業を両立させている者も多い。

「彼は引退後にやりたい仕事として、役者と政治家、お花屋さんの3つを『東スポ』の取材の中で明かしています。つまり、俳優転身を本気で考えているのかもしれません」(同)

 ただし、デビュー作は格闘技を描いた作品のため、真価を問われるのは二作目以降だろう。異色の国際派俳優としてのキャリアを歩み始めた石井慧の今後に注目したい。

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