【中国】「ロボット掃除機」世界1位と「深海ロボット」開発成功ウラにある恐怖

 ここ最近、中国に関連した報道の中で、関連業界のみならず政府要人までをもドキッとさせたニュースが2つある。その1つが、ロボット掃除機において中国ロボロックが米アイロボットを抜き世界シェア1位に輝き、さらにロボット掃除機メーカー上位5社のうち4社が全て中国企業だったことが明らかになったことだ。

「これはIDCという市場調査会社が行ったもので、昨年1~3月期時点では米アイロボットが世界シェア1位、以下ロボロック、エコバックス、シャオミと続いてたのですが、その後、ロボロック製掃除機の出荷台数が前年比20.7%増加と大躍進。結果、13.7%にとどまったアイロボットは2位に陥落。さらに3~5位を中国のロボット掃除機メーカーが独占する形になったというわけなんです」(国際部記者)

 米国やカナダ、日本で人気の高いアイロボット製品に対し、低価格なロボロックをはじめ中国製掃除機は、ドイツやフランスなど西欧やアジア圏で圧倒的な人気を誇っている。ただ、近年は中国製IPカメラによるハッキング事件が世界で頻発。一般家庭のトイレや浴室などで撮影された映像がテレグラム上に流出するといった事件も後を絶たない。

「これらはインターネットに接続されたスマート家電のIPカメラがハッキングされたことによるものですが、特に最近は、中国製ロボット掃除機の連動アプリによる被害が世界中で報告されています」(同)

 ロボット掃除機は、搭載されたカメラにより部屋の形状を認識。人間に代わって掃除してくれるが、ネットに接続されているため、第三者が遠隔操作によりロボット掃除機を操り撮影した画像を悪用することも可能。しかも、米製品に比べ圧倒的低価格な中国製品はセキュリティーが脆弱なため、ハッキングも容易という。自分や家族が知らないうちに、ロボットが撮った映像がネット上に流出する…、想像しただけでぞっとする話だ。

 さらにもう一つ、西側政府関係者の間に衝撃を走らせたのが、3月25日に中国中央テレビ(CCTV)などが伝えた「中国が1万メートルの海底を泳ぐエイに似た1.5キロの小型ロボット開発に成功」というニュースだった。

 報道によれば、中国科学院深海科学・工学研究所などの共同研究チームにより開発されたこのロボットは、世界で最も深い海底地形マリアナ海溝(1万600メートル)で、遊泳や滑降、腹ばい歩行などさまざまな動作実証実験に成功。長さ50センチ未満、重さ1.5キロと超軽量で、マリアナ海溝の海底でもロブスターのように這って歩行できるというスグレものらしい。

「研究チームはこの成功を経て、深海資源探査や地震・津波などの海洋災難早期警報システム開発など、幅広い分野へ応用したいとしていますが、もちろんこの技術はすべて軍事転用が可能です。したがって、中国共産党からの指令があれば、明日からでも兵器に生まれ変わるということ。深海は原子力潜水艦を隠しておける最大にして最良の場所。つまり深海を制することができれば世界をも制する。この1万メートル級を潜れる深海ロボットの完成が、他国に対し脅威となることは間違いないでしょうね」(同)

 そういえば昨年9月、中国の最新型原子力潜水艦沈没のニュースが AP通信ほかで一斉に伝えられたことがある。むろん中国政府は事実関係など発表していないが、その半年後というタイミングで発表された、この深海ロボット完成のニュースは何を意味するのか。沈没した潜水艦に核燃料が積まれていたかどうか不明だが、この発表に世界各国の軍事関係者の間からも様々な憶測が広がっているのである。

(灯倫太郎)

ライフ