お笑いコンビ「チュートリアル」の徳井義実が芸人生活の窮地に立たされている。10月23日に約1億2000万円の所得隠しと申告漏れが報じられ、重加算税等を含めて約3400万円を追徴課税されていたことが判明。その余波により出演中のテレビCMが差し替えになったほか、11月16日に予定されていた学園祭への出演も取りやめとなった。
だが脱税事件ではこれまで多くの芸能人が裁判にかけられ、有罪判決を受けた例も少なくない。それなのになぜ徳井は修正申告だけで済んでいるのだろうか?
「最も大きな要因は金額です。報道では1億2000万円という申告漏れ額が取りざたされていますが、実際の脱税額は重加算税を除くと2500万円弱。脱税で有罪になる基準は1億円というのが相場ですから、今後事件化する可能性はかなり低いでしょう。また、今回の一件はフジニュースネットワーク(FNN)のスクープで発覚したものですが、修正申告そのものは昨年12月に行われており、国税局としてはそこで一件落着と見ていたことになります」(週刊誌記者)
ただ今回は、3年間にもわたる無申告などを理由に悪質さを指摘する専門家も少なくない。一部の報道では、さらなる申告漏れが発覚した場合には裁判に発展する可能性が大きいとの指摘もあるようだ。だが前出の週刊誌記者は、この問題がいま以上に大きくなることはないとニラむ。
「一つには徳井が国税局の指示に全面的に従い、素直な態度を示したこと。衣装や私的な旅行の経費計上に関しては、国税局から《こちらで線引きをズバッと決めます》と提案され、それを受け入れて修正申告を済ませていることから、国税局側の心証は悪くないことでしょう。そしてもう一つは、今回の報道により徳井が十分に社会的制裁を受けたということ。CMの差し替えに加え、今後もレギュラー番組からの降板があり得ますから、ある意味で裁判以上のペナルティを受けたかもしれません。有名人の脱税が報じられた場合、《脱税するとこんな羽目になる》という見せしめ効果が得られることから、国税局がこれ以上、徳井を追い込むことはなさそうです」
申告漏れの理由を自らの「並外れたルーズさが原因」と説明していた徳井。そのルーズさがどれだけ自分自身を傷つけるのか、いま身に染みて感じていることだろう。
(北野大知)