タピオカ、高級食パン、唐揚げ専門店など、これまで数々の食材や料理がブームになってきたが、現在、賑わいを見せているのはやはり「豚汁」だろう。
ブームを牽引しているのは、とんかつ専門店「かつや」を運営するアークランドサービスホールディングスの子会社「フィルドテーブル」で、屋号は豚汁定食専門店「ごちとん」。豚しゃぶと大きめにカットしたごろごろの野菜、自家製汲み豆腐が入った具だくさんな豚汁をおかずにする 「一汁零菜」スタイルがウケて、昨年11月の池袋西口店に続き、1月には目黒店もオープンするなど、現在は東京や大阪に7店舗と急拡大している。
大きめのジャガイモやレンコンなどの野菜と、炙った豚しゃぶ肉が盛られた「ごろごろ野菜のごちそう豚汁定食」は979円(税込み、以下同)で、しっかりと煮込まれたこんにゃくや卵、大根などのおでんの具に、豚しゃぶ肉を合わせた「赤だしおでん豚汁定食」は1199円と、具材の豊富さを考えるとなかなかリーズナブル。牛丼チェーンで提供されているこれまでの「豚汁」を想像すると、いい意味で裏切られるだろう。チェーン店専門家が解説する。
「基本の豚汁を用意するだけで他にもバリエーションを増やすことができ、オペレーション的にも楽。また、食べ飽きることがないため、リピーターも期待できます。各種野菜をたくさん摂ることができ、おでんは低カロリーなので、女性客の関心も集まる。汁だけでは物足りない人にはアジフライや牛肉メンチをプラスすることも可能です。豚汁は自宅で簡単に作れそうですが、具材を用意してカットするだけでも面倒で、その割には日持ちしない。そんなところも、支持されている要因だと思われます」
栄養価も高くバランスも良いとあって、ファストフードながらジャンク感が少ないのも人気の秘訣のようだ。
(ケン高田)
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