とんかつチェーン「かつや」の年末感謝祭が、今年も12月5日から8日までの間、全国の店舗で開催されている。
今回の感謝祭では、定番の「カツ丼(竹)」「ソースカツ丼(竹)」のどんぶり2種と、サクサクやわらかな「ロースカツ定食」「カツカレー(竹)」の4品が、いずれも649円(税込み)で販売されている。
物価高の中にあって、649円でとんかつが食べられるのはありがたいことだが、過去のキャンペーンを知るファンからは「やっぱり…」という戸惑いの声が上がっている。実は地味ながらも「値上げ」が行われているからだ。
昨年の年末感謝祭は605円で展開されており、今回よりも「44円」安い。さらに過去にさかのぼれば、21年には550円で提供されており、わずか3年で100円近く値上げされたことになる。原材料費、人件費、燃料費の高騰などで一気に数百円、場合によっては倍近く値上がりする店もある中、かつやはまだ良心的ともいえるが、一方で一部消費者からはこんな指摘も上がっている。
「そろそろ税別価格を大きく表示するのは止めた方がいい」
フードライターが語る。
「たしかに、今年の年末感謝祭の告知をみると、4品どれでも『590円』と大きく表示されており、その下に小さく(税込649円)とあります。税別価格だけの表示は違法ですが、安さを強調するために総額の文字を極端に小さくすると、明確に表示したとみなされない場合があります。かつやに限らず1円でも安く見せたいと考える店は多く、料金を払う段階で思わず『えっ』と料金を見直してしまった人も多いのではないでしょうか」
価格表記はよく見ればわかることだが、いずれにしてもこのペースで値上げが続くと、数年後の年末感謝祭はいよいよ“大台”に突入してしまうかもしれない。
(ケン高田)