「キラーロボット」ウクライナが大量投入で1万人超の北朝鮮兵が壊滅する“弾除け地獄”

 11月11日、ロシア南西部クルスク州で約5万人の敵と交戦していることを明らかにした、ウクライナのゼレンスキー大統領。5万人の中には派兵された北朝鮮軍兵士約1万1000人も含まれているとされるが、クルスク州は大半が広大な平野で兵士が隠れる場所がないため、戦いづらい場所とされる。

 そこでは、北朝鮮兵はウクライナ軍陣地に近い4つのロシア軍部隊に配属され、北朝鮮兵30人に対し3人のロシア軍将校と通訳1名ほか、計6人で小隊の指揮を執っていると伝えられる。

「ただ、北朝鮮兵士らには戦車や装甲車などは与えられず、支給されているのは突撃銃や対戦車ロケットランチャーのみだという情報もあり、事実なら完全に『弾除け』として投入されていると考えて間違いない。しかも、クルスク州にあるウクライナ陣地までの10キロ圏内には、手榴弾を装備したドローンが無数に飛び交っているため、下手に近づけば一瞬にして肉片と化してしまうと言われる。今後も北朝鮮兵に多数の死傷者が出ることが予測されます」(外報部デスク)

 そんな状況の中、ウクライナ軍が殺傷用ドローン兵器の生産を大幅に強化する技術を開発した、と15日付けの米ウォール・ストリート・ジャーナル紙が伝えた。同紙によれば、開発しているのは米ドローン企業のオーテリオン社。急ピッチで開発が進むのは、内蔵されたコンピュータシステムにより自動操縦で目標物を攻撃できるというドローンで、ウクライナの他の企業も同様の自動操縦システムを戦場で秘密裏にテストし成功を収めているようだ、と伝えている。

「記事ではウクライナのドローン企業は今月から数千機の自動操縦ドローン生産に着手する予定で、オーテリオン社からも小型内蔵型コンピュータ搭載のドローンを数万台を購入。来年初めにはこれを戦場に投じる計画があるとしています。ただし国際世論の中には、人間の介入なしにAIを搭載した自律型致死兵器システム(LAWS)、つまり『キラーロボット』に対する懸念の声も強い。このキラーロボットによる殺傷の本格化で、倫理的な論争が起こることは必至です」(同)

 国連のグテーレス事務総長は、これまで国際会合などで「自律型兵器が自らの手で人間を標的に定めて攻撃できるようになれば、どういう結果を引き起こすか想像してほしい。政治的に容認できず、こうした道徳的に極めて不快な兵器を禁止するよう各国に求める」と繰り返し訴えてきた。しかし、大量生産が可能であることに加え安価なキラードローンが注目されていることは事実。ウクライナでの大量投入が実現すれば、なし崩し的に内戦が続く国などが追随する可能性は否定できない。

「現在、ウクライナ軍が使用しているドローンはカメラを搭載しているほか、赤外線センサーも備えており、人間の体温を検知できる機能もあります。したがって、どこに隠れていても兵士を見つけ出して攻撃することができる。そんな殺戮兵器がウロつくなか、戦場の地理もわからず隠れる場所もない中に放たれた北朝鮮兵士は、いったいどうやって戦えばいいのか。来年早々には、前線に派遣されたという1万人以上の兵士数は激減しているかもしれません」(同)

 ロシアに派兵されている北朝鮮兵が得られる報酬は1人あたり月給2000ドル。しかし、その大半は国家に上納されているとも伝えられるが、北朝鮮兵士たちの心情はいかなるものか。

(灯倫太郎)

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