「バーニラ、バニラ、バーニラ」の曲でお馴染みの求人情報サイトの宣伝カーが、形を変えて再登場しているとSNS上で話題になっている。
バニラの求人を巡っては、前述の曲を大音量で流す「バニラカー」と呼ばれる宣伝カーを見た人も多いだろう。当初は三大都市圏を中心としていたが、2018年ごろから全国の県庁所在地などにも進出し、大音量の広告宣伝車の走行が社会問題になった。
東京都は2011年に、屋外広告物条例の施行規則を改正し、都内で走行するには「東京屋外広告協会」のデザイン審査を義務づけたが、条例の対象は都内ナンバーに限定されていたため、他の地域で登録された車両は規制外になっていた。他県ナンバーの宣伝カーをよく見かけたのはそのためである。
そこで都は条例をさらに見直し、24年6月30日から、都外ナンバーも含めた都内を走行するすべての広告宣伝車を対象に、LEDで映像を流すなどしてほかの運転手の注意力を著しく低下させる恐れのある広告を全面禁止した。
そんな中、今度はトラックではなく「バス」をラッピングしたバニラカーが登場。「車種が変わればOKなのか?」と疑問の声が上がっている。
改正後の東京都屋外広告物条例には、車検証の「車体の形状」に「放送宣伝」と記載されている自動車を規制の対象としており、これが「バスは規制の対象外」という声が上がる根拠になっているようだ。
いずれにしても今回のバス型バニラカーは、車体左前ドア下部に「東京都広告宣伝車許可票」が貼られており、都から正式に屋外広告物許可を得ていることが分かる。
さすがに「バーニラ、バニラ、バーニラ」を大音量で流すこともなく、単なるラッピングバスになっているが、トラックからバスに形を変えたことで、条例のすり抜けが疑われてしまったようだ。
(ケン高田)