「トイレ内健康診断」チェックシート(2)水分摂取は1日1リットルにせよ

「ひとつは加齢などで膀胱の出口が十分に開かないことが原因です。それでも膀胱は無理に尿を排出しようとするので膀胱内の圧力が高くなり、その結果、筋肉が変形したり尿道が狭くなったりしてうまく尿が出なくなり、頻尿になります。お酒を飲むと頻尿になる場合も、前立腺肥大症などが原因となった排尿障害です」

 中高年によくある、オシッコに勢いがない、オシッコがタラタラとしか出ない、もしくは2本に分かれたり、噴水のように飛び散ってしまう(尿線分裂)‥‥などという悩みも同じで、膀胱出口~前立腺~尿道にかけての疾患が原因だという。

「健康であれば、オシッコの太さ(尿線)は太く1本です。排尿が途切れたり、終わるまでに30秒以上かかる場合は注意したほうがいいですね。オシッコが終わり、トイレを出たあとに下着に尿が漏れ出る『追っかけ漏れ(医学用語で、遺尿)』に悩む人も年々増えています。いずれも尿道が狭くなったり、尿道の筋肉が弱くなる。ストレスやうつによる緊張からも引き起こされる症状です」

 この他、排尿時に痛みを感じたら尿道、膀胱、前立腺が炎症を起こしているので、病状が進行する前に医師の診察を受けたい。

 排尿障害を改善して日々、健康なオシッコを出すために高橋医師が勧めるのが、1日の水分摂取量を1500ミリリットル以下に抑えることだ。

「1000ミリリットルでもかまいません。理由は食べすぎの胃もたれと同じで、大量の水分摂取が泌尿器官に負担をかけるのを防ぐことです。排尿障害を放っておくと男性的な機能も衰えて、インポテンツやEDなどの原因にもなるので気をつけてください」

 続いてのトイレ内自己診断は、ウンコ。形や大きさ、ニオイ、回数などから何がわかるのか。解説するのは、これまで4万人以上の大腸内視鏡検査を行ってきた松生クリニック院長、松生恒夫医師である。

「基本的に、便の形状に個人差があるのは当たり前のことです。ちょっとした見た目やニオイでは、病気は判断できない。よく、バナナ状の1本便がいいと言われるのは、あくまで理想の話なんです」

 平均的に人は日に2~3回排便することになっているが、たとえ2~3日間ほど出ないことがあっても慢性的でなければ問題になる範疇には入らないという。

「例えば朝の便は水分がないので、硬くなることが多い。酒を飲みすぎたら下痢をするのも当たり前です。便が一気に出ずに2~3回に分かれたり、便が軽くて浮いていたりするのも普通のこと。要はきちんと排便ができていればいいんです」

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