10月1日から始まった中国の大型連休・国慶節に合わせプレオープンした南部の都市・深センの水族館「小梅沙海洋世界」で、返金要求騒ぎが勃発している。
14日付けの「ニューヨーク・ポスト」によると、同水族館はオープン以来10万人を超える見物客で大盛況。その目玉とされるのが、水槽内を優雅に泳ぐ巨大なジンベエザメだという。ところが、この体長20メートルを超えるジンベイザメ、なんと数千万円かけて作られた「メカジンベエザメ」だとわかり、見物客らが激怒。なかには水族館側に対し、入場料240元、日本円でおよそ5000円の返金を求める人たちが後を絶たないというのである。
「ジンベエザメは最大で体長20メートル、体重20トンという地球上、最大の魚類で、国際自然保護連合(IUCN)により絶滅危惧種にも指定されている。それが鑑賞できるとあって、連日、行列ができる人気だったのですが、作り物だったわけですからね。遠方から時間と金を使って訪れた見物客が怒るのも無理はない。水族館のHPには“メカジンベエザメ”の記述は一切なく、報道されたことで初めて『生きたジンベエザメは取引が禁止されているため、何百万元(数千万円)もかけてこのメカジンベエザメを作った』とのコメントを出したことで、さらに騒動が大きくなってしまった。最初から『世界初のジンベイザメ・ロボットが見られます』とでもPRしておけば、それそれで興味を引いたはず。完全に水族館側の広報ミスとなってしまったようです」(国際部記者)
本国でそんな騒動が勃発する中、米国でも中国製ロボット掃除機によりあるトラブルが発生し、波紋が広がっているという。同じくニューヨーク・ポストが、中国のロボットメーカー「Ecovacs(エコバックス)」社製のロボット掃除機「Deebot(ディーボット) X2s」が、わいせつな言葉や人種差別的な発言を人々に浴びせたと報じたのは21日のこと。報道によれば今年5月、ミネソタ州に住む弁護士が自宅でテレビを見ていたところ、突然、ロボット掃除機から「切れたラジオ信号のような音」が聞こえ始め、機械のエラーだと思った同氏がパスワードを再設定。掃除機を再起動したとたん、おかしな動きをし始め、「Fワード(わいせつな言葉)」を叫んだ後、「Nワード(人種差別的発言)」を繰り返したというのである。
「のちにロボット掃除機が何者かによってハッキング、遠隔操作されたことに気付いたようなのですが、実は同様の事例が同時期に米国各地で報告されているのだとか。テキサス州でも同社製ロボット掃除機が持ち主に対し人種差別的な言葉を浴びせた事例のほか、ロサンゼルスでは家族のペットを追いかけ続け脅したという事例も報告されているようです」(同)
掃除機から卑猥な言葉を投げかけられ、ペットにまで被害が及んだとすれば大問題だが、エコバックス社側は「エラーは修正された。11月に機器をアップグレードする」と発表。とはいえ、誰が何の目的でロボット掃除機をハッキングしたかは、まったくもって不明のままだという。
メガカジンベイザメに掃除機ロボット騒動と、先端技術を駆使した中国製メカによるお騒がせが続いている。
(灯倫太郎)