「リトルロシア」が世界各地に増殖 “避難先”でトラブルが多発している!

 中華系の人々が暮らす「チャイナタウン」は世界の津々浦々に存在する。日本でも横浜、神戸、長崎の3大中華街のほか、クルド人問題が度々報じられる埼玉県川口市にも、クルド人の10倍の中国人住民がいる。

 中華系のほか、世界にはコリアンタウンやリトルインディア、ブラジリアンタウンなど特定の国・地域出身の人々が居住するエリアがあるが、この2年半で世界各地に続々とコミュニティが誕生しているのがロシアだ。

 戦争への不安や徴兵逃れなどで母国を脱出した人々が異国の地で身を寄せ合っていることが容易に想像されるが、一方で彼らの存在により、避難先で新たなトラブルも発生しているという。

「旧ソ連圏の中央アジアの国々にはロシアを脱出した長期滞在者が数多くいますが、現地ではロシア人による暴力事件や窃盗などが急増。治安が悪化したことでロシア人排斥を求める声が高まっています」(フリージャーナリスト)

 また、別の問題が起きているのが東南アジア。ロシアのウクライナ侵攻に中立の立場をとるインドネシアやタイには、入国のしやすさもあり大勢のロシア人が訪れているが、バリ島やプーケット、サムイ島といった観光地は大変な事態に。

「長期滞在のロシア人は生活費を稼ぐために、同胞の旅行者相手にガイドや送迎などを無許可で行っています。ほかにも、ホテルやレストラン、建設作業などさまざまな仕事に従事していますが、その大半が不法就労。低賃金で雇えるので現地人の雇用を奪う形になっているのです」(同)

 当局の取り締まりによって強制送還されるケースもあるが、事実上は野放しのまま。東南アジアの一部のリゾートがリトルロシア化していたのはこうした裏事情があったのだ。

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