「日本のカレー」が外国人観光客に大ウケ! 業界団体が本気で動き始めた海外制覇の道

 旅の醍醐味の1つがグルメ。インバウンドで多くの外国人が日本を訪れているなか、彼らから聞かれる日本のグルメは、スシ、ラーメン、テンプラなどと相場が決まっているが、実は意外な人気を誇るのが「日本のカレー」。国際的なグルメサイトの「TasteAtlas」の「世界で最もおいしい料理ランキング」23-24年版によれば、日本食では「マグロ ニギリ スシ」(21位)、「カラアゲ」(23位)、「トンコツ ラーメン」(28位)に続いて、46位で「カレー」がランク入りしている。

 そこで海外で人気ならばもっと売り込もうと、カレーの業界団体の全日本カレー工業協同組合では、輸出促進委員会を立ち上げ、「日本のカレー」を世界に広げようと動き出した。

「有名どころではエスビー食品、江崎グリコ、ハウス食品といった企業が加盟する同組合では、2022年から特にヨーロッパでの市場調査や大規模展示会への参加など、輸出拡大に向けた活動を行っていました。昨年末には、農水省が所管の輸出促進法に定める団体として、カレー組合が認められています。認定は15団体目でしたが、それまでの食べ物の団体としては、菓子、米、果物、しょうゆ、みそなどで、料理単体として認められたのは珍しいこと。今回の委員会の立ち上げは、農水省の認定も受けたことで、いよいよ本格的な活動に乗り出したということになります」(フードラーター)

 カレーの発祥はもちろんインドだが、かつてインドを植民地にしていたイギリスの東インド株式会社が本国に持ち帰り「カレー粉」を発明。日本には開国して江戸から明治になった初期にもたらされた。そして言うまでもなく、小麦粉が入ってトロトロなカレーが「日本のカレー」として独自開発を遂げ、家庭の味として欠かせないものにもなっている。

「また日本では、カツカレーやカレーうどん、カレーパンなども、いかにも日本お得意の折衷文化として生まれています。イギリスで『日本のカレー』と言えばカツカレーを指すほど、海外でも独自な受け止められ方をしています」(同)

 果たして日本のカレーが世界を席巻するか。

(猫間滋)

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