佐藤治彦「儲かる“マネー”駆け込み寺」夏の冷た~い飲み物で年間2万5000円浮かせる方法

 各社から値上げのニュースが相次いでいる。ペットボトルの清涼飲料や缶コーヒー、炭酸飲料などのドリンク類も値上げラッシュ。そうはいっても、熱中症の問題もあり、夏のこの時期、水分補給は大切だ。

 室内で働いている人もさることながら、屋外で働く人ならなおさらだ。営業職などの外回りの方は、夏の暑い時期、コンビニや自動販売機に1日何回もお世話になっていることだろう。

 屋外で働く人などは1日に3~4回お世話になるだろうし、営業職などで外回りもある方も、2回くらいは利用するのではないだろうか?

 スターバックスなどのおしゃれなカフェなどと違って、コンビニや自動販売機なら200円以下で冷たいものを飲めるから、ありがたいなとも思う。つくづく火照った体に冷たい飲み物を入れてやると「ああ、俺は頑張って働いているんだな」と、体が喜んでいるような気分にもなる。

 中には100円や120円など「値段が安い自動販売機がある場所を知っているから、そこを利用する」という人もいるだろうし、街中ならドラッグストアやスーパーに足を延ばして、「100円以下の商品を買って節約している」という人もいるだろう。

 今年の7月から9月末まで平日は62日間。そのうち3日間の夏休みを取ったとすると、実働は59日間。仮に150円する冷たい飲み物を1日2本買ったとすると、この期間の支出は1万7700円にも上る。

 もし今年の1月から年末まで、夏の暑い時期以外の月は平日に1日1本の飲み物を買ったとすると、残りの平日が186日なので2万7900円。合計で実に4万5600円。休みの日に買うことだってあるだろうから、ざっくり年に5万円は使っていることになる。

 スーパーやドラッグストア、割安な自販機などで100円~120円の飲み物を買うなどの工夫をしたとしても、大体3万円ぐらいはかかる計算だ。

 しかし私はこの10年間、コンビニや自販機で飲み物を買ったのは数回しかない。いやもちろん、飲み物は飲む。夏なら冷たい飲み物は欠かせない。どうしているかというと、水筒を持ち歩いているのだ。

 出かける前、缶コーヒーと同じメーカーの1リットルのアイスコーヒーと氷を水筒に入れて持ち歩く。そうすれば、冷たい飲み物を求めて自販機を探すことも、コンビニの列に並ぶこともしなくていいので、時間とお金の節約になっている。

 何しろその1リットルのアイスコーヒーはペットボトル入りで80円くらいなので、夏の期間に25本程度購入すると合計で2000円。冬には温かいコーヒー、紅茶、緑茶などにしたり、夏でも時には麦茶や冷たい紅茶の時もある。自宅にある飲み物を、ただ水筒に入れて持ち歩くだけだ。

 しかも、冷たい飲み物を自販機で購入しても、コント赤信号の渡辺リーダーのように一度に豪快に飲むことはないだけに、そのうち常温になってしまう。熱中症対策のためには少しずつ、こまめに飲む方がいいのだから、冷たい飲み物をこまめに飲める水筒は実に理にかなっているのだ。

 たかが自販機と侮るなかれ。夏の3カ月間、毎日1日2本の飲み物を買っていると1万7700円だけど、水筒に入れて持ち歩けば2000円で済む。1シーズンで1万5000円以上の節約にもなり、年間なら軽く2万5000円が浮くだろう。もう10年近くこうして水筒を持ち歩いているので、25万円も苦労せずして得をしたことになるわけだ。

 私の若い頃、会社勤めの女性が水筒を持ち歩いているのを見て不思議に思ったものだが、こんなに差が出るものかと驚いた。女性は本当に賢いのである。

佐藤治彦(さとう・はるひこ)経済評論家。テレビやラジオでコメンテーターとしても活躍中。新刊「つみたてよりも個別株! 新NISA この10銘柄を買いなさい!」(扶桑社)が発売中。

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