電動スーツケース「無免許運転」が横行!懸念される「歩道での人身事故」多発

「電動スーツケース」に乗って歩道を走ったとして、大阪市此花区に住む中国籍の留学生の30代女性が道路交通法違反(無免許運転)の疑いで書類送検された。

 電動スーツケースとは一体なんぞや?と思った人も多かっただろう。実は最近、外国人旅行者の間で流行の兆しを見せており、観光地で使用する姿が目撃されている。

 電動スーツケースは伸縮式のハンドルやアクセル、ブレーキがついており、内蔵されている電動モーターを使い、またがって移動できる。最高速度は時速10~13キロ、耐荷重は100kg程度で、空港のロビーなどで使用することを想定しているが、道交法上は「原動機付き自転車」に区分されるため、ナンバーを付けず免許がない状態で公道を走れば摘発の対象となる。

 旅行ライターが語る。

「実は日本でもアマゾンなどのショッピングサイトで電動スーツケースが販売されています。ほとんどは海外製品の転売で説明書には『公道走行不可』と明記されていますが、気付かずに乗っている人も少なくありません。そもそも羽田空港や成田空港では、接触事故防止のため電動スーツケースによる走行は、『遠慮してほしい』としています。中国人留学生が書類送検されたニュースを見て、驚いている人も多いんじゃないでしょうか」

 最近は手軽な移動手段としてフル電動自転車「モペット」の利用が広がっているが、一方で交通違反や人身事故が増えている。道交法改正案では「モペット」について、モーターを止めた状態で走行しても、原付きバイクに該当することを明確化したが、こちらも全ての人に周知されているとは言い難い。

 モペット同様、電動スーツケースによる人身事故などが起きなければいいが…。

(ケン高田)

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