外から丸見え!電話ボックスみたいな「少人数用カラオケ」の勝算

 少人数を対象にした新しいタイプのカラオケシステム「COCOKARA」(ココカラ)が10月1日、業務用カラオケ大手の第一興商から発売される。カラオケがより身近な存在になりそうだが、大ヒットとなるか。

「COCOKARA」は幅と奥行きが1.5メートル、高さはオプションのインテリアパーツを付けて2メートルあり、ガラス張りの電話ボックスのような形状だ。椅子・ヘッドホン、マイクを装備し、同社の通信カラオケDAMを利用してヘッドホンで曲を聴きながらカラオケを楽しめる。

 同社によると、最大4人まで利用OK。もちろん、1人でもカラオケを満喫できる。お一人様ブームにも乗りそうなカラオケだが、実は中国を中心にアジア圏ではすでに大流行しているという。

 2018年6月19日配信の「ウェッジ・インフィニティ」によると、中国では「COCOKARA」のような小型カラオケボックスは16〜17年くらいから登場し、急速に普及。映画の上映時間を待つ間や、ショッピングの合間など、スキマ時間に利用されているようだ。第一興商も、アジアのカラオケ事情に敏感に反応した結果となった。

「1人〜少人数で気軽にカラオケを楽しめる空間を提供しようというのが基本コンセプトですが、小型ボックス型のカラオケが中国などのアジア圏で流行していたのも実現化に踏み切った1つの要因です。インバウンドを主要ターゲットにしているわけではありませんが、訪日外国人客にも『COCOKARA』で日本の高音質・高画質のカラオケを楽しんでほしいですね」(第一興商関係者)

 同社によると、ヘッドホンでのカラオケは他の音をシャットアウトでき、自分の歌声とカラオケ音源がダイレクトに聴こえてくるため、ストレスなくクリアな音を楽しめるという。また、犯罪防止のためにガラス張りにしてあるが、外が気になる場合はすりガラスタイプ(ポリカ)を利用する手もある。今後、アミューズメント施設やショッピングセンターなどの商業施設での普及が期待されるが、勝算はあるのか。

「全国カラオケ事業協会のカラオケ白書によると、カラオケの部屋数と利用者数は01年からほぼ横ばい状態です。依然としてカラオケのニーズは高く、気軽に利用できる点も強みでしょう。さすがに1人での利用は抵抗があるかもしれませんが、それこそ中国ユーザーのように、2~3人単位でスキマ時間に利用することも十分期待できます」(トレンド誌ライター)

 ここから、新しいカラオケのブームが始まるか?

(石田英明)

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