【大逆転】トランプ氏「有罪」で「ほぼトラ」確定と言われる2つの理由

 不倫口止め料をめぐる裁判で罪に問われているアメリカのトランプ前大統領に対し、ニューヨーク州の陪審は5月30日、「有罪」の評決を下した。アメリカの大統領経験者に刑事裁判で有罪の評決が出されたのは初めて。トランプ氏は改めて容疑を否定、さらに裁判そのものを「魔女狩り、でっちあげ」として戦う姿勢を強めている。

 秋の米大統領選挙への影響はどうなるのか。現地マスコミ関係者は指摘する。

「アメリカの大手調査会社が4月に行った世論調査ではバイデン氏とトランプ氏はほぼ横並びで大接戦だ。問題は担当判事マーチャン判事が今後、トランプ氏に対してどんな量刑を言い渡すかが焦点だ」

 仮に実刑の場合は保釈が認められずに勾留される可能性があり選挙運動に影響を与える。2つ目は罰金刑のほか、自宅軟禁や保護観察の処分を受けるケースだ。これも移動が制限され選挙運動に支障が出る。しかし、先のマスコミ関係者は、

「担当のマーチャン判事は、トランプ氏は最有力の大統領候補であることから言論の自由が保障されることが重要だと述べている。大統領選に影響が出ない量刑となる可能性は極めて高い」

 とした上で、こう明かすのだ。

「公共ラジオNPRなどの5月下旬の世論調査では、有罪なら勝敗のカギを握る無党派層の15%が『投票する可能性が増す』と答え、トランプ氏の魔女狩り裁判と叫ぶ声が無党派層に突き刺さり、トランプ氏が逆に同情を集め票を伸ばす可能性さえある。もうひとつは、全米の大学でイスラエルのガザ地区民間人攻撃への批判が拡大していること。これをバイデン大統領が上手く処理できないと、反バイデンの流れが無党派層に蔓延しトランプ氏の不倫疑惑を帳消しにしてお釣りがくる事態になりかねない」

 一方、日本の公安関係者はこうした見方をする。 

「トランプ氏の不倫相手とされる元ポルノ女優ストーミー・ダニエルズ氏は、これまで裁判などで証言しているが、今後どう動くかに注目だ。同意の上で行為をおこなったとも話しているが、一連の証言において見えない圧力や脅迫めいたことも受けているとされる。その彼女が今回の評決と次の量刑を受けてどんな動きをするかだ」

 世界が注目するトランプ前大統領への量刑は7月11日に言い渡される。

(田村建光)

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