「ニコニコ動画」が広告ブロックツールの影響で1億円超損失のマズい事態

 動画サービスのニコニコ(niconico)は5月27日、広告ブロックツール(AdBlock)が使用されていることで広告収益において年間1億円以上の損失が発生していることを明らかにし、ツールの使用をやめるよう呼びかけた。

 ニコニコの運営・開発はサービス上に掲載されている広告収入によっても支えられており、広告収益はクリエイターの活動支援や二次創作文化の推進を目的として投稿作品に奨励金の形でも分配されているという。しかし、一部ユーザーによってAdBlockが使用されていることが確認されており、広告が非表示になることで年間1億以上の損失が発生。クリエイターにも適切に分配できない状況になっているという。そのため、ニコニコを利用する際にはAdBlockの無効化もしくはニコニコのドメインをホワイトリストに登録することをお願いしている。

 広告を大きな収入源としているサービスでは、広告ブロックツールが天敵となる。YouTubeは広告ブロックの使用を利用規約で禁止としており、使った場合は広告を見るように促すメッセージが表示され、3回無視すると動画視聴ができなくなるという「3ストライク制」が導入されたこともあった。しかし、YouTube側がツールを検出してメッセージを表示させるのはプライバシーの侵害であるとの指摘もあり、現在も広告ブロックツールの使用の是非については議論の的となっている。

「ツール使用者の中には、表示される広告が不快だったり、不適切なものが含まれていることを理由に挙げたりと、双方に様々な主張があるでしょう。ただ、広告をブロックすることでそのサービスの収益が減ることは間違いなく、ニコニコが説明するように活動するクリエイターの支援ができなくなるだけでなく、サービスの継続的な運営も難しくなってしまう。もし読者がそのサービスを利用し今後も利用したいと考えるのであれば、ツールを使用するのを控えた方がいいでしょう」(フリージャーナリスト)

 どうしても広告が不快なのであれば、有料プランを利用するなど収益を減らさない方法で対応するべきだろう。

(小林洋三)

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