増える「お家でステーキ派」店に負けないステーキ肉の焼き方とは?

 円安の影響を受け、ステーキ店が苦境に立たされている。帝国データバンクによると、2023年に倒産したステーキ店は過去最多を記録したことが判明。相次ぐ値上げで客離れが進んでおり、「ステーキは家で食べる派」が急増しているという。

「昨年のステーキ店の倒産は10件で、前年から5倍も増えて過去最多となりました。円安の影響で輸入牛肉の価格が高騰しており、米国産から豪州産などに乗り換えるところも多いですが、それでも仕入れコストは大きくなっています。しかも、ステーキの価格は他の飲食店のメニューに比べても高く、値上げすれば客離れが発生する。値上げしなければジリ貧になっていくという、どちらに転んでも厳しい状況が待ち受けているのです」(飲食店コンサルタント)

 さらにインバウンド需要の視点からすれば、ステーキは日本に来てまで食べたいメニューではないことから、他の飲食店と違い期待できない。そのため、多くのステーキ店で閑古鳥が鳴いているのだ。では、ステーキ需要は完全に萎んでしまったのかといえばそうでもない。ステーキソースなどを販売するモランボンの調査によると、コロナ禍にはステーキを家で食べる機会が増えたと回答した人が以前より増加傾向にあることが分かっていて、以降は「お家ステーキ」が定着してきているのだ。

「ただ、スーパーで購入したステーキ肉を家で焼いても、お店のように上手に焼けないという人も多いのではないでしょうか。簡単なコツをお教えすると、ステーキ肉については少なくとも2センチ以上厚みがあるものを買い、焼く前には常温に戻した方がいいという意見もありますが、冷蔵庫から出してすぐ焼いた方が内側に火が通り過ぎないのでおすすめです。焼く時には何度もひっくり返さず、片面をじっくり焼いたら反対側は焼色がつけばOK。一度フライパンから取り出してアルミホイルにくるんで予熱を通し、最後に再び両面を軽く焼いて肉汁を中に閉じ込めれば完成。これだけでお店顔負けのステーキの焼けるので、ぜひ試してみてください」(料理研究家)

 しばらくステーキ価格は高止まりすると予想されるので、お家で美味しく食べられるテクニックをマスターしよう。

(小林洋三)

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