シニアを襲う二大危機「欲まみれ借金」「熟年離婚」はこう回避せよ/‟お助け系”YouTuber特別講座(3)

 法律ってな〜んか難しそうで嫌い! という貴兄もご安心あれ。弁護士ビーノが高齢者を襲う2大危機をスパッと解説!

 シニアが弁護士を頼る相談事のひとつとして多いのが借金問題とユーチューブチャンネル「弁護士ビーノ」の日比野大弁護士が注意を促す。

「資産がないわけではなく、ある程度お金に対して余裕があるシニアの方は要注意です。多いパターンとしては若い接客嬢のいる店で使いすぎて借金。また借金をして店に通う、という人もいます。また、ギャンブルで借金する人も多いですね。一攫千金を狙った宝くじの大量購入で身を滅ぼす人も。少数ですが、FX投資や情報商材で老後資金を増やそうとして、結果、借金まみれになってしまう人もいます」

 弁護士に依頼することで、借金問題をどのように解決することができるのか。方法としては「任意整理」「自己破産」「民事再生」の3種類ある。

「任意整理は債権者と債務者の間で任意に交渉して分割での返し方を決め、将来の金利を確保するというやり方です。これならば、裁判所を使わずに対応できるので、比較的ハードルが低い対策ですね。自己破産は借金を全部チャラにする方法で、民事再生は借金を5分の1にして、36回の分割返済にする方法。いずれも裁判所を通して行います」(前出・日比野弁護士)

 弁護士へ借金の相談に来る人のほとんどは、もはや首が回らなくなったタイミングで訪れるという。だが、それでは遅いと日比野弁護士は警告する。

「ちょっとでも借金に困ったら相談に来てください。タイミングとしては100万円程度の借金であれば返済できる人が多いですが、200万円くらいから厳しくなる人が多くなります。あるいは借金を借金で返す、リボ払いを繰り返す人は早めに相談してほしいですね。加えて、お伝えしたいのは借金のはじめの一歩はクレジットカードの使いすぎから、ということ。特にリボ払いはかなりの高金利ですから、利用しないようにしましょう」

 借金に続いて、シニアが多く相談を寄せているのが離婚問題だ。日比野弁護士が続ける。

「熟年夫婦の場合、不倫による離婚は少ない。子供が独り立ちした結果、夫婦2人の生活に戻ってからの夫婦仲が険悪になって、離婚に至るケースが多いですね。基本的に離婚を切り出すのは奥さん側。これまで見てきた依頼者の中で多い原因は、旦那さんが意識せずしていたモラハラです。奥さんのために言う、奥さんのためにやっているといった言動は要注意。自分が奥さんよりも上、あるいは教えてあげているという考えがあれば改めた方がいい。きちんと向き合うことで避けられる離婚は多いと思います」

 特に長年連れ添った夫婦になればなるほど、次第にコミュニケーションを取らなくなる。結局、コミュニケーション不足が離婚となる一番の要因、と指摘する。また、離婚協議もコミュニケーション不足で進展しないケースもあるという。

「スムーズに話し合いが進まないから弁護士に相談する。ただ、コミュニケーション不足で互いに考えていることをきちんと理解していないと、弁護士が入っても話がかみ合わないということも起きてしまいます。離婚しないためにも、残念ながら離婚となってしまった時にも、コミュニケーションは欠かせません」(前出・日比野弁護士)

 弁護士に相談するタイミングは、別居してから、女性から離婚を切り出されるのがほとんど。だが、本来であれば揉める前に弁護士に相談すべき、と日比野弁護士はアドバイスする。

「離婚協議は相当なストレスがかかります。だからこそ、揉める前に相談に来ていただいた方がスムーズに話を進めることが可能になる。もちろん、場合によっては弁護士が介入しない方がうまくいくこともあるので、その見極めも意識しましょう」

 犬も食わない夫婦喧嘩は、まずは弁護士に!

《弁護士ビーノ》
弁護士ビーノこと、弁護士法人mamori代表・日比野大弁護士が、わかりやすく法律にまつわる話題について解説。「法律・弁護士は何だか難しそう」という人にこそ、存在を身近に感じてほしい。そんな思いで、様々な話題を取り上げている。チャンネル登録者数7.74万人(https://www.youtube.com/@bino)

(つづく)

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