「LINEヤフー行政指導」に韓国政党が噛みついた!絶対に負けられない“経済日韓戦”の行方

 TikTokの使用禁止に揺れる米中経済冷戦と同じく、日本では「LINEヤフー問題」が政治も交えて“絶対に負けられない戦い”になっている。

「同社では昨年11月に、利用者や取引先など44万件の情報漏洩が発覚し、その後の調査で約52万件に及ぶことが判明。さらに今年2月には、従業員の情報が5万7000件流出していたことも分かりました。これに対し総務省では3月に行政指導を行ったものの、出された再発防止策が不十分だとして、4月にも行政指導を行いました。2カ月連続の行政指導は極めて異例で、総務省がカンカンだという証です。問題は、同社の資本はヤフーと韓国ネイバー社が折半、経営はヤフーが主導しているものの、技術面で韓国のネイバー社に依存していることです」(経済ジャーナリスト)

 令和5年度の日本人のSNS使用について総務省が行った調査では、1位がLINEの93%で、月間アクティブユーザー数は9500万人にも及ぶ。若い世代になると100%に近く、もはや通信の基幹インフラだ。ところが半分は韓国資本で、技術面で外国にも情報が漏れるとなれば、経済安全保障上きわめて問題だ。

 そこで政治課題ともなり、日本政府はLINEヤフーに資本関係の見直しを迫っているわけだが、これには韓国側も黙ってはいない。

「韓国野党の『共に民主党』はこの政治も交えた動きについて、『日本のLINE強奪の試みは、明白な国益侵害であり、反市場的暴挙』とまで述べ、反発を強めています。もはや“日韓戦”の様相です」(同)

 解決策としてあるのは、ネイバーが株を手放すか否かだが、手放すにしても「どれだけ」「いくら」で手放すのか、落としどころを探るのは難しい。さらにLINEは東南アジアなどの周辺諸国でも利用者が多く、1億人のユーザーがいるというから、その点も問題を難しくしている。

 総務省への報告期限は7月1日。それまでの解決は不可能との声もあり、問題は長引きそうだ。

(猫間滋)

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