虎の子資産の増やし方教えます! キャリア20年超! 現役税理士が難題「老後資産」の運用法をスッキリ解説。
老後資金をいかに捻出するか、頭を悩ませる人は少なくないはずだ。ユーチューブチャンネル「税理士ユーチューバーチャンネル!!/ヒロ税理士」の田淵宏明税理士の元には、老後資金を作るための資産運用についての質問が多いという。その中でもiDeCoと新NISAについては、動画で何度も取り上げているという。
「新NISAの魅力は自由度の高さです。NISAで購入した株式は売却して、換金できます。一方でiDeCoは基本的にキャッシュにできません。60歳以上になれば解約できますが、それまでに現金が必要な場合でも使うことができないのは大きなデメリットです」
田淵税理士は自由度の高さという観点からNISAに軍配を上げる。もちろん、人によって資産運用に求めるものは異なる。そのため、両者のメリット・デメリットを正しく把握するよう田淵税理士は念を押す。
「NISAは利益が出た時に税金がかからない、という制度です。つまり、儲けが出ないと話にならない。これがNISAのデメリットです。でもiDeCoは払っている金額についてはすべて節税に使えます。また、NISAも今年から制度が新しくなりました。iDeCoも未確定ですが、掛け金の支払いが65歳から70歳直前まで延長されるという情報があります。制度変更によってメリット・デメリットが変わる可能性がありますから、情報のチェックは欠かさないようにしましょう」
また、ユーチューブなどでは「NISA派」「iDeCo派」など、様々な意見が発信されている。1人の配信者から情報を得るのではなく、複数のチャンネルから情報収集するべし、と田淵税理士はアドバイスする。
続いて、シニア層の相談が多いトピックとして財産の相続が上げられるという。
「60歳くらいになると、漠然と自分の相続税について悩んでいる人が多いですね。でも、実際に相続税がかかるのは全体の7%程度。ほとんどの人は基礎控除の範囲内であるため、相続税がそもそもかかりません」(前出・田淵税理士)
相続税の基礎控除はベースが3000万円、それに加えて、法定相続人1人当たり600万円という算式。例えば、配偶者と子供が2人であれば、4800万円までは相続税がかからない対象となる。また、生命保険は法定相続人1人当たりにつき500万円まで非課税。同じ例であれば、1500万円までの生命保険であれば非課税で相続できる。だからこそ、相続で悩んでいる人は財産の棚卸しをするのが大切だ、と田淵税理士。
「個人の貸借対照表を作るイメージで取り組んでみてください。お金はいくら持っているのか。銀行預金はいくらか。生命保険はいくらか。株・不動産・借金はいくらなのか調べてみてください。ちなみに、住宅ローンに関しては団体信用生命保険に入っていれば、亡くなった瞬間にローンがなくなりますので、加入している保険の内容も改めて確認しておきましょう」
もし、基礎控除を超える財産がある場合は節税対策を考えなければいけないが、少し超える程度であれば1割程度なので気にしなくてもいいという。
「もし、1億円を超えるようであれば、対策は必要でしょう。生命保険や不動産などで節税を考えてみるのはアリですね。ただ、不動産などは素人を騙す業者がいるので、注意が必要です」(前出・田淵税理士)
大欲かいて、冷や汗をかく事態は避けたいところだ。
《税理士YouTuberチャンネル!!/ヒロ税理士》
税理士となって20年以上の経験を持ち、大阪・梅田で会計事務所を運営しているヒロ税理士。YouTubeチャンネルではビジネスの話はもちろん、会計・税金・節税対策など知っているとお得な情報やウラ話を、専門用語を使わずに分かりやすく解説している。チャンネル登録者数38.6万人(https://www.youtube.com/@zeirishiyoutuber)
(つづく)