「大切な話をしているのに鼻ホジってどういうこと?」「自民党の女性局長は話聞いてんのか?」「人の話を聞く態度じゃない」などと批判の声が殺到したのは10月1日放送の「日曜討論」(NHK)。問題視されているシーンはその部分だけが切り取られ、“鼻ホジ動画”としてSNSで拡散している。いったい何が起きたのか。政治問題に詳しいジャーナリストが解説する。
「討論のテーマはジェンダー平等と女性の政治参加。自由民主党の女性局長・高橋はるみ氏や立憲民主党の辻元清美氏ら与野党の女性政治家7人がスタジオで議論を繰り広げました。その中でも、ひときわ注目を集めたのがれいわ新選組で参議院政策委員を務める、よだかれん氏。トランスジェンダーを公表して、新宿区議会選挙で当選した経歴があります。しかし、他のメンバーと異なり、現職の国会議員でないせいか、司会の男性がなかなか話を振らないこともあって、れいわ支持者と見られるSNSユーザーからは《またスルーした》《よださんの扱いがひどくないか?》と疑問の声があがっていました」
大荒れとなったのは番組の後半、話題が「年収の壁」に及んだ時のこと。岸田政権が示した支援対策について、野党のパネリストから「年収の壁は制度として古い」「新しい時代に合った制度改革を」といった声があがる中、れいわ・よだかれん氏は「公平な負担と給付というのは実現しなければいけない」と前置きして、「不況の時には社会保険料の減免とか減税を行うというのが中学校の公民の教科書に載っている財政政策の基本なんです」と主張。「中学生に教えている通りに、不況の今は消費税を廃止する。また、今日10月1日から導入されてしまう実質的な消費増税であるインボイス制度、これらを廃止していくことが国民のために求められています」と述べて、減税とインボイス制度の廃止を訴えたのだが…。
「よだ氏が『不況の今は消費税を〜』と述べたところで、カメラは自民の女性局長・高橋氏を映したのですが、高橋氏はよだ氏のほうを見ることなく、書類に目を落としたまま。そればかりか、左手の小指で鼻をホジっていたのです。これにはネットユーザーが反応し、《さすが増税メガネの女性局長》《エッフェル松川の後任か》といったコメントがアップされ、切り取り動画が拡散される事態となりました」(前出・ジャーナリスト)
減税を訴える声は自民党議員の耳には届かなかったようだ。
(福島シゲル)