ロシア首都モスクワの北西にあるクラスノゴルスク市のコンサート会場で、3月22日に起きたテロリストによる銃撃事件。
犯行直後には「イスラム国ホラサン州(ISIS-K)」が声明文を発表。プーチン大統領は「ウクライナによる指示があった可能性がある」としてきたが、西側メディアが再三、「米大使館を通じロシア政府に警告していた」等の報道が繰り返されたこともあり、25日になり、ようやくイスラム過激派によって実行された犯行であると認めた。
とはいえ、国民への手前、米政府からの「警告軽視」は認めるわけにいかない。そこで犯行はイスラム過激派だが、「テロの目的はロシア社会にパニックを引き起こすこと。イスラム過激派はロシアを攻撃することに本当に興味があるのか。誰が指示をしたのか関心を持っている」などと、お馴染みの「背後にはウクライナや西側諸国がいる」との持論を展開。取り繕うのに必死のようだ。
そんな中、ロシア国内では、ある大きな動きが起きているという。「死刑制度復活」だ。
「ロシアはエリツィン大統領時代の1996年、国際人権機構の欧州評議会(CoE)に加盟する条件に『死刑執行を中止、3年内に死刑制度を廃止する』としたものの議会の同意が得られず廃止にはできなかったものの、死刑執行中止は事実上継続中で、2022年のウクライナ侵略でCoE離脱後も行われていません。プーチン氏自身もかねてから死刑には批判的な立場をとってきましたが、今回の『警告軽視』という失点はあまりにも大きい。そこで名誉を挽回し世論の批判をかわすため、死刑制度復活に舵を切る可能性もあるということです。仮に制度が復活した場合、イスラム国のテロリストらは皆殺しになるでしょうから、プーチン氏に対するテロ組織の憎悪が募ることは間違いない。今後はロシアが欧米以上にテロリストらのターゲットになることも十分考えられます」(外報部記者)
プーチン大統領の決断やいかに。
(灯倫太郎)