放送回数8054回が「生放送バラエティー番組放送回数最多記録」としてギネス認定されている「森田一義アワー 笑っていいとも!」(フジテレビ系)。14年3月31日の放送終了からちょうど10年の節目を迎えるが、芸能界はこの間、大きく変化した。
同番組で同じく「生放送バラエティー番組 単独司会最多記録司会」のギネス記録を持つタモリは、3月9日の放送回で「ブラタモリ」(NHK)が終了。今後は特番の可能性はあるもののレギュラー放送は「ミュージックステーション」(テレビ朝日系)のみで、テレビ関係者の間では“引退同然の状態”と囁かれている。
また、終盤の2カ月半限定ながらいいともレギュラーの仲間入りを果たしたとんねるずは、特番「スポーツ王」(テレビ朝日)以外のレギュラー番組が消滅。木梨憲武は1~3月放送のドラマ「春になったら」(フジテレビ系)に主演したが、現在はアーティスト活動が中心だ。石橋貴明も個人では特番以外の地上波出演は皆無で、レギュラーでの露出はYouTubeとラジオのみだ。
さらにそのとんねるずと「いいとも」最終回で“奇跡の共演”を果たしたダウンタウンの松本人志は、「週刊文春」が報じた一連の性加害騒動に対する訴訟のために芸能活動を休業中。その期間は数年に及ぶ見込みで、復帰できても芸能界の第一線に戻れるかは不透明。業界では「このまま引退の可能性もありうる」とまで噂されている。
そして、約20年にわたってレギュラーを務めた中居正広、香取慎吾、草彅剛の3人は、16年にSMAPが解散。中居以外の2人に稲垣吾郎を加えた「新しい地図」の3人は、CM以外の地上波出演が数年間完全になくなっていた。しかも、彼らが在籍していたジャニーズ事務所(現SMILE-UP.)は、故・ジャニー喜多川氏の起こした性加害事件が明るみになり、長らく君臨した業界での地位を完全に失ったのは記憶に新しいところだ。
一方、テレビ番組もコンプライアンスによる縛りが一層厳しくなり、視聴者からは「最近のテレビはつまらない」と言われるように。
「制約があまりに多く、10年前なら通っていた企画が今はほとんどがボツになっています。しかも、視聴者がネットに流れたことで広告収入も減り、番組の予算も激減。スタッフのネット放送局や動画制作会社への転職、引退も顕著となり、『いいとも!』を担当していた鈴木おさむ氏も3月で放送作家を退くことを発表しています」(テレビ誌編集者)
数々の金字塔を打ち立てた国民的番組「笑っていいとも!」の終了は、ひとつの時代に終わりを告げる出来事となっていたようだ。