東京・豊洲市場に隣接する複合施設「千客万来」がオープンしたのは2月1日。直後から多くの客が押し寄せ、またたく間に人気スポットとなった。中でも1万8000円のプライスタグを付けたウニ丼は衝撃だったが、円安を追い風にする外国人観光客に大人気で「インバウン丼」などと称されたものだ。
一方、3月13日に東京・港区で開業した「麻布台ヒルズマーケット」も注目を集めている。同マーケットは麻布台ヒルズの地下にある約4000㎡を誇る大規模なフードマーケットで、広々とした空間には生鮮食品から総菜、グロッサリー、ワイン・リカー、ベーカリー、スイーツ、フラワーなど34店の専門店が軒を並べる。また一部店舗では、イートインで食事を楽しむことができるため、多くの観光客が訪れている。
ところが、「麻布台」という土地柄からなのか、販売されている商品のクオリティや価格が、一般的なデパ地下のそれと比べると超のつく破格なのだ。
実際、生鮮売り場を覗いてみると、「ロイヤルセレブ塩トマト1箱2980円」「京都産たけのこ1箱1万5000円」という値札が…。「旬のにぎり寿司7貫」は4100円オーバーで、近所のスーパーの惣菜寿司に慣れた者にとっては、もはや驚きでしかない。
「レストランでは、ハンバーグとエビフライのお子様ランチが2750円で販売されています。また、4000円のマグロ寿司を母親が持つ買い物かごに気軽にインする子供もいますね」(グルメ誌ライター)
各大企業では春闘の集中回答が行われ、満額を含む高水準の回答が相次いだ。このまま中小企業でも賃上げが行われると期待されているが、そうなれば庶民が「インバウン丼」や「セレブトマト」を気軽に買い物かごにインできる日が来る、のか!?
(ケン高田)