新型戦車も“操縦”車好き金正恩の深夜暴走ドライブを目撃した師団長が“忽然と消えた”恐怖話

 はたして専門知識がない人物に戦車が、そう簡単に操縦出来るのか。3月14日、北朝鮮の朝鮮中央通信が伝えた、朝鮮人民軍の戦車部隊による訓練で、新型主力戦車の操縦席から顔を出す金正恩総書記の映像。これを見て、そう思った方も多いのではないだろうか。

 報道によれば、この日、正恩氏は自ら「新型主力戦車」に乗り込み操縦、戦車部隊の訓練を指導したのだとか。それが事実なら、正恩氏は戦車の操縦に相当長けているということになるのだが…。北朝鮮ウオッチャーが解説する。

「この日行われたのは、朝鮮人民軍のタンク(戦車)兵大連合部隊の対抗訓練競技。むろん目的は、14日まで実施されていた米韓両軍による定例の合同軍事演習『フリーダムシールド』、に対しての抑止力強化です。黒いレザージャケット姿で登場した正恩氏は、監視台から走行間実弾射撃訓練を視察した後、新型主力戦車に乗り込み操縦したそうで、朝鮮中央通信では『非常に優秀な打撃力と機動力を立派に見せたことに対し満足を禁じ得ない。わが軍隊が世界で最も威力があるタンクを備えることになったのは大きく自負する価値がある』と賞賛の言葉を送ったと伝えています。現在、北朝鮮における主力戦車は「天馬号」「暴風号」などですが、今回お披露目したということは、この新型戦車の実戦配備が完了したとみて間違いないでしょうね」

 北朝鮮は6日、7日の両日にも砲撃訓練を実施。7日の北朝鮮軍大連合部隊による砲撃訓練では火砲をぶっぱなし、派手なデモンストレーションを繰り広げたが、火砲に続き、今度は新型戦車による攻撃を示唆したというわけだ。

「さすがに、正恩氏が戦車を操縦し部隊の訓練指導した、ということはないにしろ、正恩氏の車好きは有名な話。伝説の中には『8歳の誕生日前に大型トラックを運転し、曲がりくねったでこぼこ道を時速120キロメートルでつっ走り、目的地まで無事についた』なんて話もありますからね。近年でも自身で運転することはあるようで、20年8月、水害に見舞われた南部・黄海北道銀波郡を視察した際も、泥で汚れた黒いレクサス『LX570』の運転席に座る正恩氏の映像が公開されたことがあります。ただ、平壌から現地までの距離は150km。韓国メディアも、『さすがにそこまで同氏が自ら運転していったとは考えづらいが、現場でハンドルを握った可能性はある』と伝えていますから、時々ハンドルを握っていることは事実のようです」(同)

 そんな正恩氏が総書記に就任する前には、こんなエピソードもあったとも伝えられている。

「2010年初頭、人民軍の師団長が会議出席のため、深夜に平壌へ向かい車を走らせていたところ、一度追い抜いたメルセデスベンツの『S600』が猛スピードで迫ってきた。で、ベンツは師団長の車を追い抜き、急停車。ス~とウィンドウが下がると、運転席の男性が師団長に目をやり無言のまま車を発信させたというんです。ところが、翌日その男性が正恩氏だとわかった。しかし、その日以来師団長の姿は忽然と消えたと言われています」(同)

 むろん、どこまでが本当でどこからがフェイクなのかはわからない。ただ、戦車操縦のニュースに、SNS上では、そんなベンツ暴走ドライブ伝説も再燃しているようだ。

(灯倫太郎)

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