自民党ドス黒議員「株価4万円 」ストップ高ボロ儲けしていた(3)山際大志郎は外国株式ばかり

 154人の持ち株銘柄を見ていると、様々な傾向が目に付いた。地元企業や親族の経営と思われる企業の株しか持っていない議員がいたかと思えば、誰もが知る大企業の株を数百~数千株単位で広く浅く保有する議員もいる。

 特に人気が高かった企業の名前を挙げると、13期連続で増配を続ける日本電信電話(NTT)や、日本が誇る世界的企業・トヨタ自動車、エネルギー業界では東京電力ホールディングスや東京瓦斯(ガス)、石油精製・販売大手のENEOSホールディングスといったところだ。

 ほか、ANAやJRといった運輸業界の雄や、大成建設、鹿島など大手建設会社の名も。防衛装備品の政府契約額で7年連続1位の三菱重工の名は見当たらなかったが、グループ会社である三菱商事、三菱UFJ銀行、三菱地所などが大人気だった。

 そんな中で目立ったのは、なぜか外国株式ばかりを多数保有する山際大志郎元経済再生担当相(55)。22年8月からは「ベンチャー企業を5年で10倍に」という政府目標実現のために新設されたスタートアップ担当相に抜擢されたが、その後、旧統一教会との関係が次々と明るみに出たことで、就任わずか3カ月弱で辞任した。

「米ITベンチャー株を多数持っていたことも、古参の大物議員に評価され抜擢された一因だったかもしれません。ですが、過去に選挙余剰金の使途不明問題、政治資金パーティーの収支報告書への虚偽記載などの“前科”があり、カネの問題に関しては非常にだらしない印象です。また大臣職に就く場合、資産等報告書に非上場会社の保有株式を記載する義務があり、それを怠ったことでも追及を受けていました」(永田町関係者)

 米国株は成長度合いが日本株の比ではなく、うまくいけば巨額の配当益が得られる。いわばギャンブル的要素の強い外国株を仕込んで、その裏でせっせと裏金作りに励んでいたとは‥‥。いったい本気で日本のために働く意思はあるのか。

 結論。右肩上がりの株価チャートを見てニヤつく暇があったら、「弱者救済」のための政策論争で汗をかいてもらいたいものだ。

■自民党の株長者5人衆 株式資産リスト(2)

<葉梨康弘>保有銘柄(保有株数):ENEOS HD(17850)、ソフトバンク(10000)、大成建設(200)、日揮HD(6000)、三菱ケミカルHD(2224)、DIC(100)、コニカミノルタ(1000)、東海カーボン(2000)、日立製作所(600)、JFE HD(500)、三菱電機(1000)、NEC(100)、ヤマハ(3100)、東武鉄道(400)、NTT(1200)、東京ガス(800)/時価評価額:7241万3613円

<山谷えりこ>保有銘柄(保有株数):積水ハウス(1000)、キリンHD(2000)、東ソー(2500)、武田薬品(1200)、三菱電機(9000)、富士通(500)、岩崎通信機(300)、能美防災(3000)、デンソー(3300)、日本電子(1000)、野村HD(6900)、三菱地所(1000)、住友不動産(7000)、関西電力(2000)、東京ガス(600)、三菱商事(8100)/時価評価額:1億4742万9800円

※資産等報告書(3月6日時点)をもとに作成。時価評価額は3月7日の終値をもとに(★)未上場株を除いて計算

「週刊アサヒ芸能」3月21日号掲載

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