専門家が警告!千葉東方沖地震で「8メートル級巨大津波」が襲来する!(2)首都直下型は30年以内で70%

 歴史を振り返ると、南関東と北陸との地震の連動性も少なからずあるという。

「あくまでも可能性」とした上で、百瀬氏が警鐘を鳴らす。

「例を挙げてみると、古いところでは、1892年12月9日にM6.4の『能登地震』が発生。その約1年半後の1894年6月20日に東京湾北部でM7.0の『明治東京地震』が発生しています。昨年には、5月5日に能登地方ではM6.5、最大震度6強の揺れを観測。それから1ヵ月も経たない5月26日に、千葉県東方沖でM6.2の地震が起きました。そして今年は、元旦に『能登半島地震』が発生したばかり。その観点からも、千葉の群発地震は大地震の前触れと見て、警戒するに越したことはないのです」

 さらに注視しなければならないこともある。スロースリップだけでは津波が生じることはないが、しかしながら群発地震を誘発している点だ。

 政府の地震調査委委員会も「今後も震度5弱程度の強い揺れ」に警戒するよう注意喚起しているが、島村教授はこう話す。

「千葉県東方沖は首都圏周辺の地下と同じく、3つのプレートが重なり合う複雑な構造になっています。そのような場所は世界でも珍しく、地震のリスクが高いことでも知られています。これまでは最大震度5でしたが、スロースリップで地震活動が活発になり、たまった力が一気に解放されて、さらなる巨大地震が襲ってくる可能性は高い。特に心配なのは津波です。東方沖で多発する地震は陸地に近いので、巨大地震が起きたら、早いところでは5分〜15分以内に到達すると見ています」

 防災意識が高い千葉県では16年、東方沖約75キロで発生するM8.2の巨大地震をシミュレーションした地震被害想定調査を公表。それによれば、いすみ市に8.3メートル、銚子市に県内最大の8.8メートルの高さの巨大津波が襲来した場合、県全体で約5600人の死者が出ると被害想定をしている。しかし、それを事前に知っておくことで、迅速に避難することが可能となるだろう。

 一方、千葉県東方沖の地震は、首都圏にとっても他人事ではすまされない。

 スロースリップに誘発されて、千葉県南東部の陸地でも地震が多発。3月2日にはM5.0の地震が観測されている。これは海ではなく内陸で発生しているため、直下型と呼ばれる。

「3つのプレートが複雑に重なっているので、今回のスロースリップでフィリピン海プレートと陸側プレートの境界面に力が加わり、地震が起きています。どこかが動けば、他のプレートが刺激されて誘発を促すことがあり、『首都直下地震』の発生が早まることも考えられるのです」(島村教授)

 首都直下型地震の危機について、百瀬氏もこう続ける。

「10万人以上の犠牲を出した『関東大震災』は100年前に起こっているので、同規模のM7.9(推定)クラスで激震する可能性は、周期的にはまだ先だと言われています。ただ、首都直下型で想定されるM7程度の地震は、今後30年以内に発生する確率は70%。都民も今すぐ、災害に備えて準備をしておくべきでしょう」

 スロースリップはまだまだ続き、日本のどこかで巨大地震は必ず起きる。その心構えを持つだけでも、生死を分ける対策につながるはずだ。

「週刊アサヒ芸能」3月21日号掲載

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