清涼飲料水やカップ麺、乳製品などの食料品が今年の春に次々と値上げされる。
まず最初に値上げを宣言したのがコカ・コーラボトラーズジャパンで、昨年12月、大型ペットボトル商品を対象に6〜10%希望小売価格を引き上げる見通しであることを発表した。「コカ・コーラ」が消費税の増税分以外で値上げするのは1992年以来、実に27年ぶりのこと。
「コカ・コーラが値上げを発表すると、それに続けとばかりに日清食品や雪印、明星食品も今年の4月〜6月にかけて値上げすることを発表しました。どのメーカーもだいたい値上げ理由は共通しており、人件費と物流費の高騰を挙げています」(経済ジャーナリスト)
この人件費と物流費の高騰の背景には、致命的な“働き手不足”がある。政府は働き手を増やすために外国人労働者の受け入れを表明しているが、まだまだ問題は山積で、すぐに働き手不足が解消するというわけでもない。
「さらに今年10月からは消費税増税も始まる予定。基本的に食料品は軽減税率が適用されますが、イートインを利用した場合は対象外となるため、コンビニなどで衝動的に購入してその場で飲み食いする、という客はいなくなる。食品メーカーはさらなる苦渋を強いられるわけです」(前出・経済ジャーナリスト)
その消費増税については、こんな話も。
「厚労省による勤労統計不正発覚で、実質賃金の伸び悩みが判明したことで、永田町界隈でも増税反対論がにわかに幅を利かせ始めている。これに相次ぐ食品類の値上がりの実感と不安が加われば、“二度あることは三度ある”の事態となる可能性も出てくるのでは」(経済誌記者)
安倍首相にはまっとうな判断を期待したい。
(小島洋三)