「キックバックは雑所得」自民党の“裏金5人衆”に突きつけられる課税額

 自民党の政治資金パーティーを巡る裏金問題。キックバックの総額は5年間で総額6億7000万円超。収入を記載しなかった議員に対して、「納税すべき」との声が野党だけでなく、与党内からも漏れ伝わっている。

 もしも派閥から受け取ったキックバックを「雑所得」としたら、国会議員たちはどれだけの税金を払うことになるのか。そんなテーマに切り込んだのは2月20日放送の「報道1930」(BS-TBS)。大阪学院大学法学部教授で税理士の八ツ尾順一氏がVTR出演し、「収支報告書に記載していなかった時点で政治資金として認識していなかった」という解釈から税法上では雑所得にあたると指摘。その後、裏金議員が納めるべき課税額を試算したところ、キックバック1000万円に対して納税額(住民税・所得税)は500万円、重加算税は140万円になるという。スタジオでは萩生田光一議員らキックバック(訂正後の収入)の額が多い上位5名の議員の名とともに、「企業が使途不明金を計上した場合、その支出金額の40%が課税される」という八ツ尾教授のコメントを紹介した。番組を視聴した政治ジャーナリストはこう語る。

「番組には元厚生労働大臣で、自民党政務調査会長代行の肩書を持つ田村憲久議員が出演。訂正した収支報告書の使途不明金について『調べている最中』と繰り返していました。つまり、調査の段階だから使途不明金にはあたらないとの主張です。しかし、ニュース解説者で編集者の堤伸輔氏が1086万円の“裏金”を認めた堀井学議員について言及。訂正された政治資金収支報告書に、『使途不明金』という項目が追加されていると指摘し、『はっきりと使途不明金と書いてある』『なぜ一般企業、一般国民とは違う名目で通ってしまうのか』と問題提起していました。萩生田光一議員が代表を務める政治団体の収支報告書は『不明』だらけで、調査中であることを匂わせるものでしたが、堀井議員の『使途不明金』という記載は、ある種の開き直りとも受け取れます」

 なお、番組で取り上げた“裏金5人衆”のキャッシュバック額(訂正後)を見ると、萩生田氏が1952万円、三ッ林裕巳議員が1808万円、二階俊博議員が1768万円、山谷えり子議員が1519万円、堀井学議員が1086万円。条件つきながら、その64%が払うべき税額となる。

 収支報告書に堂々と「使途不明金」と記載していた堀井議員は、秘書の退職を理由に具体的な回答を控えているが、スポーツマンらしくフェアに納税してほしいものだ。

(福島シゲル)

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