ダボス会議で議論された次のパンデミック候補「疾病Ⅹ」とは

 世界の各界のリーダーが集まって今後の世界情勢などについて話し合うダボス会議が1月19日に終わったが、先行き不透明な現代社会について議論する場なだけに、聞けば背筋が凍るような近未来の不測の事態についても話し合われたようだ。

「公式なテーマは、ウクライナ、中東から世界に広がりそうな戦争、先行きが危ぶまれる中国問題、予測不能なグローバル経済、待ったなしの気候変動問題などで、このあたりは誰もが思いつくテーマですが、これらと並行して、次に世界的パンデミックを引き起こす『疾病Ⅹ』についてもセッションが行われたのです」(経済ジャーナリスト)

 この「疾病Ⅹ」とは、2018年にWHO(世界保健機関)が定義したもので、既にあった重要疾患のSARSやエボラ出血熱と同じく〝人類の脅威〟となる未知なる感染症が世界的大流行となる可能性を示唆したもの。

「会議では、疾病Ⅹはいつ起きてもおかしくないパンデミックの元となるものとして、致死率はコロナの20倍以上を前提として話し合われました。想定されるのは、コロナと同じ人獣共通感染ウイルスや、生物兵器、細菌感染などといったものも。まるで将来的に人類が相当数失われるような事態が発生するSF的な世界の話ですが、これを深刻に受け止めなければならないような現実を既に迎えているというわけです」(同)

 ダボス会議では、AIやネットのニセ情報も議題になったが、いまやフェイクも感染症も、おかしなものが世界に一気に拡散するリスクにさらされているということだろう。

(猫間滋)

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