日本ピザハットは1月15日、オンラインで注文した商品をドライブスルーで受け取れる新しいサービス「オンライン専用ドライブスルー」を山口県にあるピザハット柳井店で開始した。昨年は宅配ピザ店の倒産が過去最多を記録するなど業界は苦境に追い込まれたが、この新サービスが宅配ピザ復活のきっかけになるかもしれない。
「オンライン専用のドライブスルーは、ピザハットオンラインで注文した商品を車から降りずにドライブスルー窓口で受け取れる仕組みになっています。オンラインで注文すると、出来上がり10分前と出来上がり後に通知が届くため、完成したタイミングを見計らって行けば、すぐに焼きたてのピザを受け取ることが出来るのです。ピザハット柳井店ではオープン記念として、公式アプリからの注文で全品5%オフと、ピザ全品お持ち帰り50%、デリバリー30%オフを併用可能なキャンペーンも実施しています」(情報誌記者)
東京商工リサーチによると、2023年1~11月の宅配ピザ店の倒産件数は13件となり、集計を開始した09年以降最多だった17年、18年、20年の年間6件を倍以上も上回った。ピザ店の倒産が急増した原因としては、新規参入が相次いで競争が激化したことや新型コロナの5類移行でデリバリー需要が減少したこと、さらに原材料の高騰や人手不足もあり、厳しい経営環境に追い込まれたと考えられている。
「オンライン専用のドライブスルーは面白いアイデアかもしれません。宅配ピザ店の倒産は急増していますが、22年度のピザ市場規模は過去最大となるなど、依然としてピザ人気は根強いのです。しかし、コロナ禍に宅配ピザ業界はキャンペーンを繰り返し実施していたため、消費者はキャンペーンがないと割高に感じるようになってしまった。しかし、オンライン専用ドライブスルーであれば、デリバリーよりも安く商品を購入できますし、注文をしてから待つ必要もない。新しい、宅配ピザのスタンダードになる可能性も十分にあると思います」(フードジャーナリスト)
全国にピザのドライブスルーが登場するかもしれない。
(小林洋三)