1月1日、石川県志賀町で震度7を観測した能登半島地震。4日配信の「読売新聞オンライン」によると、揺れの強さの目安となる「最大加速度(単位はガル)」は2828ガルを記録した。これは2011年の東日本大震災の2933ガルに匹敵する揺れの強さ。同県輪島市や珠洲市、穴水町など計7地点でも1000ガル以上を記録したという。
珠洲市の泉谷満寿裕市長は1月2日、県の災害対策本部会議にオンラインで出席し、「6000世帯の市内全域に被害が及んでいる」と語った。道路状況については「道路が寸断されており、支援物資を届けるのが困難だ」と述べた。
壊滅的な被害状況を受け、木原稔防衛相は1月5日、石川県などに派遣している自衛隊員を約400人増やし、同日から約5000人に増強することを明言。加えて、普段は民間企業などで働きながら大規模災害時などに招集される予備自衛官と即応予備自衛官、合わせて最大100人を現地に送ることも発表した。
能登半島を襲った大地震の被害は想像を絶するが、そんな中、SNS上では「能登半島大震災」という呼び方が散見している。報道では気象庁が命名した「(令和6年)能登半島地震」と記述されているが、甚大な被害を受けたことから一部の人がネット上で「能登半島大震災」と呼ぶのは理解できる。地震の規模と被害状況を見れば、能登半島大震災という呼び名のほうが適切のような気もするが……。
「気象庁では地震が発生した場合、その地震に対して名称をつけることはありますが、地震により発生した〝災害〟に対しては政府が別の名称をつけることもあります。たとえば、気象庁が名称を定めた95年の兵庫県南部地震は、政府は阪神・淡路大震災と命名。また、11年の東北地方太平洋沖地震は、政府によって東日本大震災と名付けられました。このように、地震そのものと、地震による災害が厳密には区別されるケースがあります。今後、能登半島地震も政府によって能登半島大震災などと命名されることも十分考えられます」(週刊誌記者)
名称はともかく、政府には引き続き被災者の救助と支援に全力を挙げてほしい。
(石田英明)