牛丼チェーン・すき家の「タブレット注文」が物議を醸している。
47都道府県・日本国内店舗数最多の合計1949店舗を展開するすき家。お手頃価格で美味しい牛丼が食べられると、毎日のように足を運ぶファンも少なくない。最近は自分のスマホで商品を選び、店でQRコードを読み取らせると、自動的にクーポンが適用されるなど、オーダーの仕方もますます便利になっている。
そんな中、店舗で食事中、テーブルに設置されたタブレットから送られてくる「アンケート」が話題になっている。画面には「店舗はきれいですか?」「店員は笑顔で対応していましたか?」といった質問が表示され、「○」「×」の完全2択で答えるシステムになっている。これにネット上では、「常に従業員を監視する“プリズンシステム”ではないか?」と、疑問の声が相次いでいるのだ。
フードライターが語る。
「すき家のアンケートは、食事中の客にやらせることではなく、エリアマネージャーの仕事を押しつけているようなもの。従業員が笑顔で対応しているかいないかは食事にはまったく関係ありませんし、そもそもマスクをしていてはわかりようがありません。取りようによっては、客に従業員を常に監視させているようで、客も心から食事を楽しむことができないでしょう」
そもそも、深夜や早朝に立派に働いている従業員に対し、笑顔を強要するのはいかがなものか。ほとんどの客は温かい牛丼がきちんと運ばれてくれば十分、と思っているハズだ。
2014年には従業員の“深夜ワンオペ勤務”が社会問題化したすき家。カウンター席では牛丼は原則として『店内Aカンは10秒で提供』などとマニュアル化されており、オーダーから配膳まで秒刻みの制限時間が設けられている。
企業にとっては効率化が不可欠とはいえ、従業員をガチガチのルールで縛り付けるのは、客にとってもあまり気持ちのいいものではないだろう。
(ケン高田)