ほとんどのスポーツ種目が男女別にカテゴリー分けされる中、性別に関係なく行われる競技のひとつがモータースポーツ。近年、海外では女性レーサーの活躍が目立つが、イタリアを中心としたヨーロッパで行われた「F2000トロフィー」で今年、シーズンチャンピオンに輝いたのは日本人の野田樹潤（じゅじゅ）。なんと現在17歳の現役女子高生だ。
同カテゴリーの前身は、F1への登竜門にもなっているイタリアF3選手権。しかも、女性レーサーが国際F3規格で年間王者となったのは今回が初めて。エントリーした36名中唯一の女性だったが14戦9勝という圧倒的な強さを誇り、その速さは地元イタリアでも折り紙付き。モータースポーツ好きのイタリアのネット上では《フェラーリは今すぐ彼女と契約するべき》なんて声が上ったほどだ。
「今年、彼女はオーストリアF3の『ドレクスラーカップ』にもエントリーし、Wタイトルは惜しくも逃しましたが年間2位。さらに現在F1で活躍中の角田裕毅が19年に参戦していたユーロフォーミュラオープンでも1勝を挙げ、ポイントランキングで8位に入っています」（モータースポーツジャーナリスト）
ちなみに彼女の父親は元F1ドライバーの野田英樹。近い将来、親子2代に加え、日本人女性初のF1デビューも期待されるが、実際に可能性はどの程度あるのだろうか？
「彼女が活躍できたのは、女性ドライバーは男性よりも車体の制限重量が軽かったことによるレギュレーションの恩恵が大きいです。でも、上のクラスではルールが異なり、しかも頻繁に変更もあります。まったく同じ条件なら違う結果になっていたと思います」（同）
それでもこのまま順調にキャリアを重ねていけばF1にステップアップできるチャンスは十分あるという。
「F1に参戦した女性ドライバーは92年のジョバンナ・アマティが最後で、彼女は全戦予選落ちに終わっています。でも、F1と並ぶ最高峰のモータースポーツで知られるインディカー・シリーズで08年に優勝したダニカ・パトリックのケースもあります。女性の場合、スポンサーを集めやすく男性と同程度の実力なら女性にシートが与えられる可能性は高い。もしF1デビューを果たせば、大坂なおみを上回る日本人女性アスリートとして海外では評価されるでしょうね」（同）
F1の大舞台で活躍する日を楽しみに待ちたい。
