経営不振が続く大塚家具が2月15日、大手家電量販店のヤマダ電機と業務提携することで基本合意したことを発表したが、投資家などが集うSNS上では、《負け組連合》といった辛辣な声が相次いでいる。
提携にあたっては、大塚家具が住宅やインテリアにも力を入れるヤマダ電機にノウハウなどを提供、リフォーム提案などの新業態店舗「家電住まいる館」での商品企画、卸売りなどを手掛けるという。
「大塚家具が3年連続の赤字に陥る一方、ヤマダ電機も家電販売で苦戦が続いている。昨年は記録的な猛暑でエアコンの販売台数が伸び、多くの家電量販店が売上を伸ばしたのにもかかわらず、ヤマダ電機だけは一人負け状態でした。加えてヤマダ電機の業績の足を引っ張っている一つが、まさに今回大塚家具との提携で注目されている住宅やインテリア部門なのです」(経済評論家)
家電販売が伸び悩む中、ヤマダ電機が2017年から肝いりで展開し始めた「家電住まいる館」だが、そもそも購入サイクルがあまりに異なる家電と住宅をセットで提供すること自体、無理があると指摘する専門家もいる。
「一方の大塚家具は、中国・日本・台湾の取引先を中心とした企業連合と米投資ファンドに新株を発行して約38億円、さらに米投資ファンドなどに新株予約権を発行し、最大で約76億円を調達することも明らかにしています。しかし、この資金調達によって、将来的には半数以上の株式を奪われる可能性もあり、最終的には乗っ取られるとの見方もあるんです」(前出・経済評論家)
ヤマダ電機との提携にあたり大塚家具の大塚久美子社長は日経新聞などの取材に、「立て直しの途中で(社長を)代わることはできない」と続投を語っていたが、今回選択した提携がどんな結果をもたらすのか注視したい。
(小島洋三)