明治29年創業の老舗漬物店である「天政松下」が10月1日に全国発売した新商品「ケジョンマ濃厚キムチ」の商品名を変更すると発表した。商品名にある韓国語の「ケジョンマ」が、直訳すると「あまりにも下品で不適切」という批判が寄せられたためという。
「『ケジョンマ濃厚キムチ』は、40万人のフォロワーを持つ韓国人インフルエンサーである『出稼ぎジフン』と天政松下が共同開発したもので、商品名には韓国の若者たちが使うスラングで『とても美味しい』という意味を持つ『개존맛(ケジョンマ)』が採用されました。しかし、もともと『개』は『犬』を意味し、『존』は『クソったれ』という意味で男性の下半身を指す俗語でもあったことから、日本のみならず韓国からも《その名称は不適切だ》との指摘が相次いだのです」(ネットライター)
天政松下は9日、公式Xでケジョンマについて「語源を遡り語源と俗語の組み合わせによって不適切な言葉になること、またその俗語自体相応しくない表現であったと反省しております」とし、早急に商品名を変更すると発表した。また、共同開発者である出稼ぎジフンもインスタグラムで、「不快に思う方がいるかも知れないと想定できなかった僕が悪いです」とファンに謝罪した。
天政松下や出稼ぎジフンにとってはとんだ勇み足だったようだが、もっとも、日本の商品名が海外ではおかしな表現となってしまう例は今回に限らない。
「例えば、今年4月に大谷翔平が所属するエンゼルスの本拠地『エンゼル・スタジアム・オブ・アナハイム』のベンチに大塚製薬の『ポカリスエット』の広告が掲示されたのですが、これを見てアメリカの記者たちは困惑しました。なぜなら、ポカリスエットを直訳すると『ポカリさんの汗』という意味になり、それが清涼飲料水であることを知ってさらに驚いたのです。また、日本でメジャーな乳酸菌飲料『カルピス』は、英語圏の人たちには『カウピス』と聞こえ、『牛のおしっこ』だと思われてしまいます。そのため、カルピスは海外では『CALPICO(カルピコ)』という商品名で販売されているんです」(フリージャーナリスト)
商品名は商品の命だ。せっかくの名前がとんでもない意味にならないよう、命名する際にはきちんとした精査が必要なのだろう。
(小林洋三)