イングランドの古豪ニューカッスルに所属する日本代表FW武藤嘉紀の発言が物議を醸している。
昨季まで指揮を執ったスペイン人監督ラファエル・ベニテスを解任し、新たにスティーブ・ブルース監督を招聘したニューカッスルだが、プレミアリーグ2019-2020シーズンのスタートダッシュに失敗、8月17日のノリッジ戦で開幕2連敗を喫する苦境に立たされている(現在1勝2敗)。
そのノリッジ戦で67分から途中出場した武藤もゴールという結果をもたらすことはできず、試合後に燻る胸中を解放させ過ぎてしまう一幕があった。
ゲーム後、メディアの取材に応じた武藤は「この試合は辛いものだった。自分はピッチの中で孤立無援状態となったし、常に3〜4人の相手選手に囲まれていた状況が続いていた。ストライカーとしてはとても苦しめられるものだったし、チームとしてもハードな展開だった。連敗から脱出する為にも僕らはよりハードにトレーニングする必要があるだろうね」とコメントし、チームの戦術批判とも解釈されかねない発言を展開。
現地スポーツメディア「HITC」はこの武藤のコメントを明らかな戦術批判だと捉え、「新監督のブルースにとってはあまりに不必要であり、また見当違いのコメントにも思える」などと武藤の発言に苦言を呈している。
「現時点でニューカッスルの夏の補強や監督人事が好転の兆しを見せていないことは紛れもない事実であり、ピッチ上でも良質なフットボールを披露できていないこともまた明らかですが、それを武藤が取材陣の前で指摘してしまったという点に現地メディアも納得していないのでしょう。武藤は昨季から今季にかけて数字的な結果を残せておらず、それを半ばチームのせいにするかのように受け取られてしまい、日本のファンからも『メディアに対して言うべきじゃない』『結果出してない武藤がメディアに言うコメントでもないので批判されて仕方ないが、実際ブルース監督の戦術理解度は低い』『確かにFWとして言い訳じみた発言だとは思うが、直接戦術を批判してるとまでは思えない』『言う割に(武藤は)点取らないよね』などの声が上がり、賛否が分かれています」(スポーツライター)
現在、武藤のニューカッスルにおける序列は2番手から3番手となっているが、今回の発言によりさらなる状況の悪化につながる可能性もある。今は個人的感情を抑え、ストライカーとして明らかな結果を出すことに専念した方が良さそうだ。
(木村慎吾)