小学3年生以下の子供だけでの留守番や外出などを“虐待”とする埼玉県虐待禁止条例の改正案に批判の声が殺到している。13日の本会議で採決が行われる予定で、このままでは可決される見通しだが、もし可決されれば埼玉県で子供を作りたいという夫婦が減る可能性もあるという。
「問題となっているのは自民党埼玉県議団が提出した条例改正案で、自動車の車内や自宅への子供の置き去り事故を防ぐ目的で提出されたといいます。しかし、小学校1年生から3年生だけでの登下校や18歳未満の子供と小学3年生以下が留守番すること、小学生だけで遊びに行かせたりすることなどを虐待にあたるとして禁止しているため、子供を家に残してのゴミ出しや子供のお使いも虐待になるとして反発する声が相次いでいるのです。この条例に違反しても罰則はありませんが、違反を見つけたら報告する義務が課されています」(地元紙記者)
この改正案に対しては、立憲民主党の枝野幸男前代表や明石市の泉房穂前市長などが断固反対の意思を示しているが、埼玉県議会では自民党県議団が過半数を占めていることから13日の本議会の採決で可決・成立する可能性が高いとみられている。さいたま市PTA協議会もこの改正案には異議を唱え、オンライン署名サイト「change org.」で改正反対の署名を募集し、2日間で約3万人がこれに賛同しているが…。
「この改正案を考えた人たちは子育てをしたことがないんですかね。もし、この案が通ってしまえば、小さい子供のいる家庭は共働きなんて不可能でしょうし、シングルマザーは埼玉県内には住めなくなるでしょう。子供の安全を考えたのでしょうが、子供のいる家庭のことは何も考えられていないように思えます。罰則はないと言っても、条例違反は心理的な影響を及ぼしますし、埼玉で子供を作ろうという若い夫婦は減るかもしれませんね。埼玉は子育てがしづらい場所として、子育て世帯が県外に流出する可能性もありますし、これだけ批判されている改正案を意地とプライドで自民党県議団が通してしまわないことを願うばかりです」(同)
果たして改正案の行方は…。
(小林洋三)