京都府宇治市にある「そば処 吉野家 宇治槙島店」が10月1日より改装工事を行い、そば、カツ丼、天ぷら、マグロ丼を終売して、6日からノーマルな牛丼店「吉野家 宇治槙島店」にリニューアルされた。これで関西圏の「そば処 吉野家」は全滅したことになり、全国での絶滅も危惧されている。
「青い看板の吉野家を見たことがあるという方もいると思いますが、通称『青い吉野家』は牛丼だけではなく、十割そばも提供する変わり種の店舗となっています。牛丼以外の看板商品を作ろうと2007年にオープンした『そば処 吉野家』は、十割そばを各店舗で打っていて、そば湯まで楽しめる本格派。打ち立て、茹でたてのそばが手頃な価格で食べられるとあって、人気もあったのです」(フードライター)
最盛期には40以上の店舗が存在していたが、次第に青い吉野家は通常のオレンジの看板の吉野家へと姿を変えていき、9月30日には「そば処 吉野家 463号線バイパス和ヶ原店」も閉店。埼玉、千葉、神奈川、岐阜、静岡、愛知の6県に8店舗を残すまでに激減してしまっているのだ。
「仕入れ価格が高騰したことにより、そば製粉の業界最大手と2位が今年4月に相次いで値上げを実施したこともあって、そば業界に大きな影響を与えています。特に立ち食いそばはコロナ禍もあって経営難となり閉店するところも多く、東京駅ホームに唯一存在していた立ち食いそば店『東京グル麺』も30年以上の歴史に幕を下ろしたことも話題になりました。そば価格の高騰に加えて、『そば処 吉野家』では店舗で手打ちしているということもあり、それだけ労力も必要であることから、今後も厳しい経営が続くと見られています」(前出・ライター)
牛丼とそばのセットメニューは好評で、ファンを公言する人たちも少なくない。それだけに「青い吉野家」にはもうひと踏ん張りして欲しいものだが…。